また、更新が遅れてしまった。
前回の更新で「フレッツADSL」の導入について、ご報告した。
その後のフレッツの使い心地は、快適であると言ってよい。まず、なによりもファイルのダウンロードが速いのが気持ちよい。
そのことは、これまでは、ほとんど利用していなかった、「WINDOWS Update」をよく利用するようになったことが物語っている。
その反面、WEBのブラウズについては、最初に感じたほど、速くは思えなくなった。やはり、慣れてきたせいと最近、とみに「重たい」ページが増えてきたためであろう。
今回は、マイクロソフトのデータベースエンジンである「MSDE」のインストールについてご報告したい。
まず、MSDEについて説明する。MSDEは、マイクロソフトのOffice2000(プロフェッショナル版以上)に付属してくるデータベース管理ソフトである。
え! それは、「ACCESS2000」では?と思われるでしょう。
確かにデスクトップデータベースの製品の中では、アクセスは、ダントツに売れているソフトである。
では、もっと規模の大きなデータベースでは、どのようなソフトが使われているのだろうか?
それは、例えば、マイクロソフトの「SQL Server」であったり、オラクルの「Oracle」だったりする。
「MSDE」は、このうちのSQLサーバーに制限をつけて頒布されているソフトである。制限とは、具体的には、5台以上のクライアントからアクセスされると速度の低下を起こすようになっているという。
アクセスとMSDEは、どこが違うか?
MSDEでは、フォームもレポートも作れない。できるのは、データベースの命とも言うべき、テーブルの管理だけである。
では、クライアントは、どうするかというと、前述のアクセスやVBなどで作られたソフトを使うことになる。
だから、MSDEは、我々が普通に言うところのデータベース管理ソフトではないとも言える。
では、なぜ、MSDEやSQLサーバーなどが使用されているのであろうか?
それは、データベースが壊れにくいという「頑健性」とサーバー/クライアント型のLANで運用するのに都合がよいように能率的に設計されていることによる。
後者は、アクセスでは、サーバーにデータを置いていた場合、クライアントで、あるクエリーを実行すると一度、全部のデータがLANを通してクライアントに流れることになる。これは、クライアントが少ない場合は、よいが、多くなるとネットワークの混雑を引き起こすことになる。MSDE等は、条件に合致したデータのみがクライアントに流れることになり、能率的である。
しかし、その利用のためには、SQL文という命令の書き方を理解しなければならない。
SQLは、もともとは、IBMが定めたデータベースへの問い合わせ言語であったが、現在では、国際的な標準化が行われ、JISも制定されている。
その具体的な形を知るためには、アクセスで任意のクエリーを作成し、クエリーウインドウで、表示からSQLビューを選択するとSQLに変換された命令が表示される。これがSQL文である。
文法的には、それほど複雑なものではないが、テーブル名やフィールド名の修飾がつくため慣れないと非常に見づらいものになる。
従って、SQLサーバーなどの商用版には、よりグラフィカルなツールが付属している。
しかし、MSDEには、そのよう便利なツールは、付属していない。付属しているのは、「osql」という、DOSコマンドから実行するインターフェースだけである。
従って、MSDE側にデータ(具体的にはテーブル)を置き、クライアント側では、アクセスを使用してそれらのテーブルに接続し、SQL文により、必要な処理を実行するという使い方である。
MSDEを使用するためには、まず、インストールしなければならない。これが意外に難しかった。
既存の環境は、WINDOWS/NT4.0+SP6.0aであった。当初、ここにMSDEをインストールした。
ところが「ODBCドライバが・・・」というエラーメッセージがインストールの途中で多く出てしまい、インストールが終了しない。
最初は、サーバーがNECの旧98機であるため、NT4.0と同様にNEC版が必要なのかと疑ったがwebでSQLサーバーの製品版のカタログ等を調べても、その種のことは書かれていない。
そこで、インストールの順番を変えてみることにした。
「日経WINDOWS/NT(1999/7)」の記事により、次の順番にインストールを行った。
1.WINDOWS/NTのインストール
2.NTのサービスパック4の適用
3.インターネットエクスプローラ4.0sp1のインストール
4.MSDEのインストール
5.SQLサーバーのサービスパック2の適用
6.NTのサービスパック6.0aの適用
これでエラーが出ずにうまくインストールが終了した。
ま、結局、再セットアップということになってしまった。
なお、付言すれば、WINDOWS2000プロフェッショナルにインストールした場合は、エラーは生じないであっさり、インストールできた。
これからMSDEを利用してみようという段階である。MSDEは、インストール後、NTでは、OS起動時に自動的に起動するようになる。実務的には、好ましいがテスト的に使用する場合は、煩わしい。
そこでOS起動時には、起動しないようにした。NTでは、コントロールパネルのサービスまたはMSDEの常駐アイコンをクリックして設定できる。
次には、MSDEを利用してテーブルを作成して外部から接続するというテストを実施してみようと思う。
しかし、そのためには、前述のおり、SQL文の最低限の知識がないと難しい。
書籍としては、次のようなものが出ている。
1.「SQL Server 7.0/MSDE 完全トレーニングテキスト」(技術評論社)上下2巻
2.「Access2000+MSDEによる体験的SQL入門」(技術評論社)
2は、1より易しく書かれているがアクセスと連携して利用する方法については、書かれていない。
ちょっと、書名と違うようであるが、アクセスに付属してくるMSDEを利用して、という意味のようである。
1は、書名から受ける印象より取り付きやすく書かれてはいる。リレーショナルデータベースとは、というところから書かれている。ただし、分量が多いため読みこなすには、かなりの努力を要求される。
そこで、当面、2の方を元にSQLの書き方を学習していき、1を必要により参考にするという方法で始めてみたいと思う。