第41回の「ファイルコピーツールの活用」(2008/9/1)から半年ぶりの更新となる。
LANの構成については、大きな変更はない。強いて挙げれば、2007/11にウイルス対策ソフト「ウイルスバスター・ビジネスセキュリティ」をLANに導入したが、そのバージョンが当初の3.6から現在では、5.1と変化し、Windows
VistaのWindowsメールにも対応するようになってきたことか。
個人向けの「ウイルスバスター2009」単体と比較して、クライアント側の操作画面が、やや貧弱のように見えるものの、基本的機能は、ほぼ同一のようである。個人向けの製品ではカバーできないサーバー(Windows
2003)もしっかりと保護してくれる。その点も良い。
更新料金も割安(3450円/台/年)なので、中小企業向けには、お勧めである。ビジネスセキュリティをインストールするコンピュータ(サーバ)は、Windows XPでもVistaでもよい。サーバには、マイクロソフトのIIS(インターネット・インフォメーション・サーバー)またはApacheが必要である。IISが稼働していない場合は、自動的にApacheがインストールされる。
目下のところ、「ビジネスセキュリティ」の他に、クライアントに「ウイルスバスター2009」、「カスペルスキー・インターネットセキュリティ2009」を使っているパソコンが一台ずつある。
そう、昔は、ノートン先生も使っていましたな。(なつかしい)
しかし、操作画面やら機能を使い分けるのも大変なので、最近は、使っていません。
いずれにしても、セキュリティ対策ソフトだけで、ウイルスやワームを防げる時代ではなくなってしまった。どの対策ソフトも100%の検出率を期待できない以上、あまり細かい検出率の差で製品を選ぶより、LAN全体のファイアーウォールやクライアント側のWindowsの更新を含めて、防御態勢を幾重にも重ねておく必要がある。
特に最近は、インターネット経由ばかりでなく、昔のフロッピー時代のように、USBメモリーを介する感染が多くなってきていることは、第40回の「USBメモリーの利用制限等」(2008/9/1)で触れているとおりなので、自動再生機能をOffにするなどの注意が必要である。
以前にも書いたが、システムの命は、データであるから、ストレージを重視する必要がある。しかし、ストレージは、必ず、故障すると思って何重かのバックアップ体制を敷いている。
下表は、現在のバックアップスケジュールである。サーバのシステムのバックアップ(ASRバックアップ)は、Windows標準のソフトを利用している。
また、クライアント側は、True Imageなどの市販のイメージバックアップソフトを利用し、一部、ASRバックアップも併用しているものもある。
ここで、「弥生」とは、随時、電源を入れるデータバックアップ用のコンピュータの愛称である。
データの種類 | オリジナルデータ | 1次バックアップ先 | 2次バックアップ先 | 3次バックアップ先 |
システム(サーバ) | サーバ1台目の内蔵HD (160GB) |
サーバ2台目の内蔵HD (160GB) |
サーバの外付けHD (500GB×2台 RAID1構成) |
なし |
システム(クライアント) | 各クライアントの1台目の内蔵HD | 各クライアントの2台目の内蔵HD (2台目のないものは別パーテーション) |
サーバの外付けHD (500GB×2台 RAID1構成) |
なし |
文書データ | サーバの2台目の内蔵HD (160GB) |
サーバの外付けHD (500GB×2台 RAID1構成) |
サーバの外付けHD (500GB×2台 RAID1構成) |
「弥生」の内蔵HD |
音楽データ | サーバの外付けHD (500GB×2台 RAID1構成) |
サーバの2台目の内蔵HD (160GB) |
「弥生」の外付けHD (500GB) |
オリジナルCD |
動画データ | サーバの外付けHD (500GB×2台 RAID1構成) |
「弥生」の外付けHD (500GB) |
DVDにコピー | なし |
「弥生」へのバックアップコピーは、前回、ご紹介したファイルコピーツール「FastCopy」を利用して手動で行っているが、その他は、2時間程度の間隔で自動的に行わせるようにバッチファイルをサーバのタスクスケジューラに登録して実行させている。
なお、上表で色分けしているが、同一色のものは、同一のドライブを表している。一番手厚いバックアップ体制は、文書データで、同一データを4つのドライブ(RAID
1を2重と勘定すると6ドライブ)に保存していることになる。これは、10年以上前に、圧縮して100MB程度の容量のデータをうっかり、ドライブを初期化して失った苦い経験から、しつこいほど、厳重に管理しているためだ。
失われたデータは、戻ってきません。皆様もぜひ、バックアップをお取り下さい。
そう、データは、「青春」と同じです。失って初めて、それが貴重だったと分かるのですな。