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笑い話

更新日:2018/12/1

法螺師

これまでに「今月のご挨拶」に掲載してきました「笑い話」を独立させたものです。
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・ 前口上
 2018年に東京都内の土地をめぐって、大きな詐欺事件が摘発されました。
 ※ 詐欺そのものは、2017年に起きたものです。(2019/1/18 追記)
 『地面師』と称される詐欺グループにより、大手住宅会社が63億円余りをだまし取られたという事件です。
 地面師とは、他人の土地や建物をあたかも自分のものであるかのように装って、第3者に売却して利益を得るサギ師のことです。
 元々、自分たちのものでないものを他人に売りつけるという、なんとも厚かましく、かつ、図々しい犯罪者です。
 地面師という聞き慣れない言葉に刺激されて、妄想を膨らませてみました。
 あくまでも、妄想ですので、ご了承ください。(お急ぎの方は、お先へどうぞ

 なお、地面師やサギ師の『師』は、その道の達人というような意味でしょう。
 かなり昔は、サギ師を『ペテン師』と称したこともあったと記憶していますが、最近は、新聞やテレビ等で、お目にかからなくなりました。
 このままでは、『チコちゃんに叱られる』(NHK 金曜日)で、チコちゃんに『ペテンって、何なの?』と聞かれてしまいそうです。
 先回りして、検索すると、たとえば、『語源由来辞典』(http://gogen-allguide.com/)では、『中国語のbengzi がなまった』とのこと。
 明治初期から使われているそうです。(発音は、ペンツ に近いとのこと)
 元の漢字を調べると、『繃子』であり、糸偏の字は、包帯のようにぴったり巻きつけるという意味であり、俗語として、詐欺、の意味があるとのことです。
 ※上の青字部分は、『ヤフー知恵袋』より、抜粋しました。

 そういえば、『いかさま師』(いかさま=如何+様で、どのような様子→本物のようだ、となり、偽物を指す意味になったとのことです。)という言葉もありましたな。
 いかさま師もペテン師と同様、もはや、死語感があります。
 更に大昔に遡ると、『山師』、『鉱山師』(やまし)という言葉もありました。
 山師は、金山や銀山などの鉱山を探す人のことですが、江戸時代には、徳川将軍により、特別に庇護されたことが知られています。
 しかし、試掘しても鉱脈にあたらないケースも多かったと思われ、やがて、サギ師という不名誉な意味にも使われるようになったのでしょう。
 現在でも、山気(やまけ、やまっけ)は、『万一の幸運をねらって、思いきって物事をしようとする気質』(日本国語大辞典)として、時に使われます。
 それにしても、同じ犯罪でも、殺人犯や傷害犯には、『師』が付く言葉はなさそうなのに、サギ師などに『師』が付くのは、昔の人も、だましのトリックに驚き、少しだけ、すごい、という感想を持ったせいかも知れません。(ま、被害者以外の人の感想でしょうが・・)

~ ここから本題 ~
 ・ 答弁師(とうべんし)
  初入閣の大臣などの国会答弁に遺漏がないように指導する人のこと。
  昨今、役所が苦労して準備した原稿を読み上げるのにさえ、詰まったり、言い間違えたりする方が目立つことに対して導入された。
  指導方法は、明らかでないが、早口言葉など滑舌をよくする練習や漢字やカタカナ語が多い原稿を正しく読み上げる稽古などから始めるとのこと。
  ご年配の受講者も多いことから、お使いの老眼鏡が合っているかどうかの検査や最新の眼鏡型ルーペなども紹介しているという。

 ・ 記憶無師(きおくなし)
  経験が浅い大臣・役人などは、無理矢理に答えて、後で、往生することがある。
  そういう方々のために、いざというときに『記憶が無い』振りをいかに自然に行うかを教える人のこと。
  簡単のように見えるが、なかなか難しい。

 ・ 記録無師(きろくなし)
  対象者は、前項に同じであるが、記録を調べてもなかったことにしたいという演技にどう真実味を持たせられるかを指導する。

 ・ 韜晦師(とうかいし)
  対象は、政治家や役人だけでなく、あいまいにごまかしたい方すべてである。
  『あー』、『うー』などの無意味な音を挟んだり、『等』や『など』を連呼、カタカナ語でぼかすなど、質問者を煙に巻く技を伝授。
  カタカナ語では、小池都知事が『アウフヘーベン』(ドイツ語のaufheben=止揚する、対立する観念を高次の段階で統合すること)を使って注目される。
  このように、英語以外のドイツ語やフランス語などを挟むと効果的なのかも知れない。
  なお、『○○のためお答えを差し控えさせていただきます』などの常套句もなめらかに言えるようになるという。
  紛羅和師(まぎらわし)とも言われる。

 ・ 謝罪師(しゃざいし)
  どうしても謝らなければ、ならない時もある。
  その場合、どのような服装、姿勢、言葉、気持ちで謝罪したらよいかを指導する人のこと。
  そういえば、映画『謝罪の王様』(2013年東宝:阿部サダヲ主演)に登場する架空の『東京謝罪センター』所長の職業が『謝罪師』だった。
  現実にも、需要が多そうだ。

 ・ 改ざん師(かいざんし)
  役所だけでなく、データをごまかしたい人のためにどのように改ざんするとばれにくいかを指導する人。
  しかし、その指導実態は、ベールに包まれている。

 ・ 偽装師(ぎそうし)
  何らかのデータなり資料をごまかす人。前口上で出てきた地面師も利用したという。

 ・ 検査無師(けんさなし)
  企業などで定められた検査をいかに省くかを伝える人。
  しかし、ばれると、その企業のみならず取引先や利用者などに与える影響や損害は、計り知れないものがある。
  くれぐれも近づかないように注意したい。

 ・ 成須磨師(なりすまし)
  オレオレ詐欺などの特殊詐欺の多くが他人に成りすます。
  インターネット上にも存在している。
  なりすましのテクニックを教えるというが、まさに、一刻も早く撲滅することが求められている。

 ・ 卓袱台返師(ちゃぶだいがえし)
  いったん決まった約束や合意を土台ごとひっくり返してしまう方法を伝授。
  アメリカのトランプ大統領や隣国の政権のように、最近、この種の行為が増えてきている背景に、同師の存在があるとも言われる。

 ・ 美味師(うまいし)
  飲食店レポート(食レポ)が不慣れなタレントさんなどを指導する人。
  『うまい』、『おいしい』、『まいうー』などと言うだけだが、タイミングや表情、口調、さらには、テレビ写りの良い食事マナーも伝授。
  やさしそうに見えるが、奥は、深い。

 ・ おもてな師(おもてなし)
  お客様に快適に過ごしていただく方法を伝授する人。
  2020年の東京オリンピックや2025年の大阪万国博覧会の招致などでも注目を浴びている。
  なお、真逆の指導をする人を愛想無師(あいそなし)と言う。

 ・ 法螺師(ほらし)
  面白いほら話をする方法を伝授すると言われるが、実生活では、ほとんど役に立たない。 
  今回の拙稿も、ほ~ら、似たるかな。    

 

       

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