更新日:2002/5/1
アドビ社のAcrobat 5.0の講習を5月20日から始めます。
アクロバットは、PDFファイルの作成、編集等を行うソフトウェアです。
PDFファイルというのは、ファイルの拡張子が「pdf」となっているもので、ファイルの読み取りと印刷は、無料で頒布されている「アクロバットリーダー」を利用することにより、原則として誰でも可能です。
その大きな特徴は、WYSWIG(見たままが印刷される)を実現していることです。
インターネットで標準的に利用されているHTML(ハイパーテキストマークアップランゲージ)では、画面に表示されたとおりに印刷することは、困難です。
また、そもそも、ホームページをデザイナーの意図どおりに画面に表示させることも難しい面があります。
なぜならば、文字のサイズ・書体等がブラウザ及び表示者のパソコンの状態に依存しているからです。
pdfファイルは、PostScript(ポストスクリプト)技術により、これらの困難を除いています。
1996年にアクロバットがアドビ社から発表されてから、これまでの間の普及により、電子文書の事実上の標準となっていることも大切なことです。
どんなに優れているソフトであってもその普及率が低ければ、使いにくいものです。
このようにpdf形式の文書は、原則として、誰でも読んだり、印刷したりできるのですが、pdfファイルを作成するためには、前述のアクロバットを購入するか、あるいは、Windows環境でプリンタとして生成されている「PDFWriter」を使って「印刷」する必要があります。
PDFWriterは、PhotoDeluxeをインストールすると生成されるようです。
一方、PDFファイルの編集や加工には、アクロバットが不可欠です。
ファイルをpdfファイルに変換する際に、PDFWriter以外にAcrobat Distillerを利用することができます。
これは、アクロバットをインストールしている場合にのみ使用することができるものでPDFWriterを利用する場合より細かく条件を指定することができます。
もう一つ、pdfファイルがこれほど使用されるようになってきた理由として、ファイルサイズがコンパクトになるという特徴が挙げられます。
例えば、私がテキストを一太郎で作ったファイル(約10MB)をpdfファイルに変換すると、わずか1.5MB程度に圧縮されます。
インターネットでファイル交換をするためには、ファイルサイズをできるだけ小さくすることが不可欠です。
この面でもアクロバットの機能は、優れています。
単なるファイルの圧縮であれば、圧縮ソフトを利用すれば、圧縮できますが、圧縮してあるものの内容を解凍せずに確認したり印刷したりすることは困難です。
また、編集のため解凍すると元のファイル形式に戻るので、オリジナルファイルを作成したアプリケーションソフトを保有していないとそれは、できません。
ちなみに先ほど例では、Riz(リッツ)を使用してlzh形式に圧縮した際のサイズは、0.8MB程度になります。
サイズを小さくするだけであれば、圧縮ソフトの方が優れていますが、pdfに変換すると一太郎を持っていない人も変換後のファイルを扱えるという利点があります。
pdfファイルは、複数のファイルを一つにしたりという、ページ単位の加除が簡単に行えます。
もちろん、内容の大幅な変更は、オリジナルの文書を作成したアプリケーションがないとできません。
今回の開講に当たり、適当なテキストがないため、探していたのですが、翔泳社から出版されている「Acrobat 5.0 PDF完全マスター」(田中聖・櫻井淳著/2002/3刊/2400円+TAX)が見つかりました。
題名から受ける印象よりも、ずっと分かりやすく実務的な内容です。
回数は、4回コースで考えています。ご関心のある方は、ぜひ、受講をお願いします。
アクロバットについて、もっと、知りたい方は、下記のページを訪れてみてください。
・アドビジャパン http://www.adobe.co.jp/
では、今月は、ここまで。
皆様、お元気でお過ごし下さい。また、来月、お会いしましょう。