会員の皆様へ (2005年9月のご挨拶)

我が家の地震対策

地震は増えているのか?

千葉県北西部の地震(2005/7/23)、宮城県沖の地震(2005/8/16)と短い期間に東京で比較的大きな震度を観測した地震が続けて起こりました。
 地震の増加傾向については、観測点の増加により、これまできちんと震度が観測されなかった地震も観測されるようになり、その結果として見かけ上、地震が増加しているように見えると解説されています。
 しかし、西日本では、地震の活動期に入りつつあるという説もあり、警戒するのに越したことはないようです。

危険個所の洗い出し

そこで我が家でも大地震に備えて危険個所の洗い出しを試みてみました。
 まずは、家の内部にいる時間が長いので、家具の転倒とガラスの飛散が最も危険と考えられます。
 家具の名前と場所、ガラスの場所、大きさ、質を列挙してみました。
 ここで、ガラスの質とは、透明ガラス、型板ガラス(凸凹ガラス)などで、後述の飛散防止フィルムの種類を決める重要な情報です。
 このように書き出してみますと、思いがけない家具というものは、出てきませんでしたが、ガラスについては、本当にあちこちに使われていて、しかも、危険なままであることにあらためて気づかされます。

家具の転倒防止

書き出した主な家具は、たんす、冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、ガス乾燥機、パソコン、本棚、仏壇などでした。
 なお、我が家の食器棚は、台所に作りつけなので転倒については、一応、安心です。このように家具は、すべて作りつけが安心とのことですが、今ある家具をすべて廃棄して作りつけに変更することは、困難でしょう。
 そこで、たんすは、なるべく普段使用していない納戸部屋に移動して、移動できずに部屋に置いてあるたんすは、たんすの手前下部に「ふんばる君」(商品名)という転倒防止用のプラスチック板を敷き、タンス上部奥は、つっぱり棒で固定しました。
(タンス上部のつっぱり棒。かなりがっちりと固定できました。)



(タンス下部の「ふんばる君」(下図の灰色の部分))



(小物家具と柱の間に転倒防止金具を取り付けたところ)



 また、冷蔵庫は、やはり、つっぱり棒で固定し、冷蔵庫背面上部の固定用のハンドルをくさりで壁に固定しました。
 しかし、冷蔵庫については、相当の重量と高さがあるので、果たしてこれで持つかどうか、不安もあります。


(冷蔵庫上部のつっぱり棒。本当は、もう少し奥に取り付けたかったのですが、うまくいかず、天井で支えています。)



 テレビについては、テレビ台手前下部に「ふんばる君」を置き、壁に固定できる台は、固定しました。
 ただ、冷蔵庫の場合もそうですが、固定しようにも壁内面が石膏ボード等でスカスカのため固定できないケースがありました。
 テレビ本体は、「耐震ゲルクッション」でテレビ台に固着しました。仏壇も同様に仏壇置き台に固着しました。
 このゲル状の粘着パッドは、便利ものですね。

(ゲル状の粘着パッド(右下の青いプラスチック))



 パソコン本体は、専用の固定具でテーブル面に固定しました。メンテナンスのためには、固定具の途中のねじをゆるめると外すことができます。
(パソコン本体に取り付けた白い固定具)



 パソコンの液晶ディスプレイも、粘着パッドで固定しました。
 本棚は、作りつけのものは、前面のガラス戸に飛散防止フィルムを貼り付けました。
 また、開き戸の開き防止具も装着しました。
 一方、後から廊下に据え付けた本棚は、据え付け時に専門家が床に固定したのですが、ゆするとぐらぐらするため、やはり、つっぱり棒で更に固定しました。
 本棚や食器棚は、内部の本や食器の転落防止もしなくては、ならないのですが、今回は、後回しにしてあります。

ガラスの飛散防止

家具の転倒防止策に比してガラスの飛散防止策は、選択肢があまりありません。飛散防止フィルムを貼り付けるだけです。
 本来は、飛散防止対策済みのガラスに入れ替えれば、言うことはないのですが、なかなか、そこまでは、踏み切れません。
 また、美観を一切、無視すれば、梱包用の幅広の透明なテープ(飛散防止用テープ)をガラスに縦横に貼り付ければ、簡単です。
 ある学校でそのような例をホームページに掲載しているのを見つけました。
 まあ、効果は、十分あると思いますが、やはり、見た目が問題でしょう。
 ただ、飛散防止用テープで美麗なものが出てくれば、考えが変わるかも知れません。
 インターネットでかなり、しつこく検索してみましたが、ガラスの飛散防止用の見た目のよいテープを見つけることができませんでした。
 ガラス面の全部ではなく部分的に貼り付けることでもある程度の強度強化は、期待できると思いますが、せっかく貼付するのであれば、全面貼付が、確実でしょう。
 問題は、ガラスの質によって飛散防止フィルムの種類が極く限られてしまうことです。
 「透明ガラス」や「すりガラス」、「型板ガラス」でも平坦な面がある場合は、そちらがわに一般的な飛散防止フィルムを水貼りすることができます。
 素人でも慣れてくるとあまり空気の泡が目立たないように貼り付けることができます。
 また、色や模様、厚さなどフィルムの種類が豊富です。
 なお、家の外側になる面には、貼れません。雨風ではがれてしまいます。
 飛散防止フィルムは、楽天の「壁紙屋本舗」から購入しました。
 (http://www.rakuten.ne.jp/gold/kabegamiyahonpo/)

(下では、透明ガラスに貼り付けたフィルム。薄い灰色の部分が空気の泡です。)



 ところが型板ガラスの模様入りの面(凸凹面)に貼り付けられるフィルムの種類は、ずっと少なくなります。
 我が家では、この種のガラスが多くフィルムを選ぶのに弱りました。反対側は、平坦なのですが、ほとんどが家の外側になってしまいます。

(型板ガラスの凸凹面。星の形のカットの他に細かいしぼ状の凸凹があるのが分かりますか?)
 


 しかたないので美観は、二の次にして浴室用の目隠しシートを購入し貼付しました。
 透明ガラス用に比してかなり厚手のものですが、凸凹面にも容易に貼り付けることができます。水貼りではなくフィルム裏面のフィルムをはがして、そのまま貼付することができます。
 あらかじめガラス面と同じ大きさにカットしてから貼り付けます。かなりしっかりと固着して、はがれません。

(右側の白い部分が目隠しシート。上図のようなガラス面にも貼れます。)
 


 ただ、当然ですが、もともと、目隠し用なので、貼付する前より光が通りにくくなり、部屋がやや暗くなることです。
 このあたり、凸凹面では、実質的な接着面積が平坦なガラスより少なくなるため、接着層の厚さを増やしてカバーしようとすると考えられるため、透明度が落ちるのは、やむを得ない面もありますが、飛散防止フィルムメーカは、どちらかというと、ガラスの破壊や焼き破りなどの犯罪対策に重点を置いていて、地震によるガラス飛散防止という視点が薄いように感じられます。
 このような飛散防止は、ガラスメーカ出荷時や家の建築時に対策を行うべきであると思いました。
 家中のガラス面全部に対策を施すのは、大変な手間がかかります。

終わりにあたって

では、今月は、ここまで。
 今後も時間ができましたらば、随時、更新していきたいと思います。
皆様、お元気でお過ごし下さい。
 

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