会員の皆様へ(2007年5月のご挨拶)

データの生まれてから無くなるまで

目次

 端午の節句、カイウの花
 データのライフサイクル
 パソコンの生・老・病・死・そして、再生のライフサイクル
 パソコンの生を管理する(データの作成と保存)
 パソコンの生を管理する(データの作成と保存)
 パソコンの老を防止する (Cドライブのバックアップ(自動システム回復(ASR)用バックアップ))
 パソコンの老を防止する-2 (データのバックアップ)
 パソコンの老を防止する-3 (バックアップの準備)
 パソコンの老を防止する-4 (バックアップ以外の方法)
 パソコンの老を防止する-5 (チェック&デフラグ)
 パソコンの病を癒やす (個別データの復旧)
 パソコンの病を癒やす-2 (ASRバックアップデータのリストア)
 パソコンの病を癒やす-3 (リカバリ)
 パソコンの病を癒やす-4 (ウイルス・スパイウェア・不正接続対策)
 パソコンの死 (廃棄)
 パソコンの再生 (データの移行)
 終わりにあたって
※ 目次を追加し、適宜、改行を追加しました。(2019/5/12)

端午の節句、カイウの花

本日、5月5日は、端午の節句です。
 季節もだいぶ、初夏らしくなり、時とすると、汗ばむ陽気の日があるようになりました。
 上掲は、拙宅の「海芋(カイウ)」(カラー:サトイモ科)の花ですが、今年は、こんなに茎が長く伸び、見事な花をつけました。
 暖冬のため、冬も地上部分が枯れずに緑を保ったせいでしょう。
 みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。

 「桃尻語訳 枕草子」(橋本治 著:河出書房新社)によると、「節句」とは、そもそも、平安時代、貴族が「節日」(季節の変わり目の日)に供えるお供えのことを「節供」といったことから、節供を食べる日のことを「節供」というようになり、今では、「節句」の字を当てるようになったということです。
 ところで、「端午」というのは、おわかりになりますか?
 端午というのは、もとは月の端(はじめ)の午(うま)の日という意味で、5月に限ったものではありませんでした。しかし、午(ご)と五(ご)の音が同じなので、毎月5日を指すようになり、やがて5月5日のことになったとも伝えられます。・・(http://www.bukyu.com/seck/s5.html より)
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データのライフサイクル

「今月のご挨拶」も2007年2月から、はや、3ヶ月も経ちましたが、この間、私は、拙いブログ(DERIVE(デライブ) de ドライブ)の記事を書くのに精を出してしまい、こちらの記事がご無沙汰になりました。
 (注:現在は、「ブログ」ではなく、当ホームページ内に記載を続けています。2007/8/15 追記)

 さて、最近、パソコンの大容量ハードディスクの搭載により、私たち、個人も大量のデータを持つようになりつつあります。
 しかしながら、一般ユーザは、パソコンが故障しない機械という漠然とした安心感を持っているためか、ひとたび、システムの不安定やHDの不具合、ウイルス等の感染により、パソコンのリカバリなどを行おうとした際、データのバックアップがなされていなかったという重大問題に、はじめて、直面し、あわてることになります。
 このように、私たちは、パソコンとデータのライフサイクル管理について、必ずしも、十分な知識や経験を持っていません。
 ということで、今月のテーマは、「データの生まれてから無くなるまで」を確実に管理していこうということです。
 (決して、「亡くなる」ではありません。お間違いなきように)
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パソコンの生・老・病・死・そして、再生のライフサイクル

データのライフサイクルに入る前に、パソコンのライフサイクルを考えましょう。
 特にデータ等のバックアップ頻度を考える上で必要です。参考までに下記の表を掲げます。
 これは、データの保全のための参考ですので、このとおり、やらねばならぬというわけではありませんし、このとおり、やってもデータが失われることもあります。
 (LANでサーバを立てているようなケースは、ここでは、取り上げていません)
 なお、保存するデータの重要性とその保全のための労力とを秤に掛けて考える必要もあります。

 パソコンの寿命は、使用頻度や環境、製品のばらつきによって、違うものの、概ね、3年から5年程度と考えていただくとよいでしょう。
 そのため、3年を過ぎたら、そろそろ、買い換えを検討し、壊れる前にデータの移行を実行することが必要です。
 (壊れてしまってからでは、状況は、かなり絶望的です)
 3年って、ちょっと、もったいないですか?
 そうですね、多少、スキルのある方は、HDの交換やメモリーの増設等で延命を図ることができます。
 当方には、7年を超えている可動マシンがあります(さすがに現役ではありませんが)。
 それが難しいと仰る方は、家族や友人に譲ったり、中古ショップで売りに出したりすることもよいでしょう。

 また、残しておく際は、ただ、積んでおくのでは、それこそ、もったいないです。
 ぜひ、サーバとして活用するのもLANの勉強になりますし、あるいは、LINUXをインストールして、LINUXの勉強マシンとして活用する方法もあります。
 そして、いよいよ、手に負えない故障が起きたら、潔く、メーカ等のリサイクルに出しましょう。

 すなわち、パソコンには、(新規に購入し)、(新製品から旧製品へと次第に年を重ねるごとにデータが蓄積され)、(いつしか、HDや電源などの部品の故障やデータの消失、ウイルス感染などが生じ)、(直らない故障で廃棄)、そして、再生(パソコンリサイクルで、一部の部品は金属やプラスチックとして、リサイクルされ)があります。
 どうですか、パソコンの一生は、なんと、ドラマチック。人生と同じです! [ちと、大仰(オーバー)か?]
 さあ、パソコンの一生を実り多いものにするのは、他ならぬ、あなたですよ。

時期 危険度 Cドライブ(システム含む)のバックアップ データのバックアップ サイクル
購入後1年内 安定稼働後にASRバックアップ(後述)。
以降、3ヶ月毎にASRバックアップ。
バックアップ先は、Dドライブまたは外付けHDなど。
マイドキュメントを毎週バックアップ。
マイドキュメントには、メールデータなども含まれているとする。
バックアップ先は、Dドライブ等
1年~3年 3ヶ月毎にASRバックアップ。
バックアップ先は、Dドライブまたは外付けHDなど。
また、外付けHD、DVD、他のパソコン等にDドライブ等
のASRバックアップデータをコピーする。
バックアップ間隔を毎日とする。
USBメモリー等にもバックアップデータを毎週、コピーしておく。
必要に応じて、USBメモリー等は、世代管理する。
3年~5年 1ヶ月毎にASRバックアップ。
バックアップ先は、Dドライブまたは外付けHDなど。
また、外付けHD、DVD、他のパソコン等にDドライブ等
のASRバックアップデータをコピーする。
新パソコンの選定・移行
バックアップ間隔を毎日とする。
USBメモリー等へのコピーも毎日とする。
更に、バックアップデータの世代管理を推奨。
5年~ 1ヶ月毎にASRバックアップ。
バックアップ先は、Dドライブまたは外付けHDなど。
また、外付けHD、DVD、他のパソコン等にDドライブ等
のASRバックアップデータをコピーする。
上記に加えて、アプリのインストールなど、システムの
変更の前にも行う。
世代管理を推奨。
新パソコンへすみやかに移行する。
バックアップ間隔を毎日とする。
USBメモリー等へのコピーも毎日とする。
更に、バックアップデータの世代管理を徹底。
少なくとも2重化をはかる。
廃棄 廃棄
リサイクル リサイクル 再生

※HDがCドライブしかない場合は、外付けのHD等を検討しましょう。
 DVDなどにコピーするより速くて扱いやすいですし、後述の突然死にも対応できます。
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パソコンの生を管理する(データの作成と保存)

データは、パソコンを母として、父なるアプリケーション(以下「アプリ」と言う。)により、この世に生まれ(作成され)、そして、後日の再利用または参照のために、パソコンに保存されると、言われています。(誰が言っているの?)
 ところで、マイクロソフトが好きな方も嫌いな方も、保存場所は、「マイドキュメント」(その中のマイピクチャやマイミュージックなどのサブフォルダも当然、含まれます)に統一しましょう。
 WordやExcelなどでは、既定の保存場所として、元々、マイドキュメントが推奨されていて、変更していなければ、問題は少ないです。
 他のアプリケーションも、最近は、マイドキュメント内にアプリ専用のサブフォルダを作成して保存することが多いようですね。
 しかし、少し前までは、Program Files内のアプリ固有のフォルダ内にデータを保存するものもありました。
 このような場合は、アプリで保存する際に保存場所を選択できるものは、マイドキュメント内にサブフォルダを作成して保存する習慣を付けましょう。
 既定の保存場所を変更できるアプリもあります。
 また、保存先は変更できないものの、データのバックアップ機能が付いているものは、その機能を使ってデータのバックアップをマイドキュメント内にサブフォルダを作って、そこに保存するようにします。
 いずれの方法でもデータの保存場所やバックアップができないものは、保存場所を把握しておくしかありません。(メモを取っておく)
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パソコンの生を管理する-2 アプリの設定情報

アプリの設定情報は、再インストールすると最初の既定値に戻ってしまいます。
 簡単な設定であれば、特にメモをしておく必要はありませんが、インターネットの接続情報などの重要なものは、別途、メモをしておく習慣を付けましょう。
 とにかく、プロバイダーの設定情報やパスワード、ウイルス対策ソフトのIDやパスワード等をなくさないようにしてください。
 パソコン関係の書類入れを整備して、整理しておきましょう。
 (重要な情報ほど見つからないケースが多い!。すなわち、情報の逸失度合いは、その重要度に比例します)
 不要な広告やカタログなどは、すみやかに処分してください。
 重要な書類が埋もれてしまいます。マニュアルなどは、インターネットに接続すれば、ダウンロードできますが、IDとパスワードは、簡単には、再発行してもらえません。
 ぜひ、パソコン関係のIDとパスワードや連絡先などの一覧表をエクセル等で作成してください。
 これは、できるだけ、パソコン内に保存しないようにします。
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パソコンの老を防止する (Cドライブのバックアップ(自動システム回復(ASR)用バックアップ))

データは、ほぼ、永遠の若さを保ちますが、母なるパソコンのシステム(Windowsとアプリ)は、次第に老化します。
 しかし、パソコンならでは、切り札があります。それが、ASRです。
 Windows XPでは、スタート→アクセサリ→システムツール→バックアップから、ダイアログボックスで「詳細モードに切り替えて実行する」というリンクをクリックします。そして、次の画面で「自動システム回復ウィザード」をクリックしてから、次へをクリックして、「バックアップを格納するメディアまたはファイル名」のところで「参照」をクリックし、Dドライブまたはその中の適切なフォルダ名(専用のサブフォルダをあらかじめ作成しておく)を選択します。
 Dドライブ以外では、外付けHDなどが適当です。Cドライブではいけません。
 ファイル名は、固定的な名前がよいでしょう。たとえば、「Cbackup」など。
 次へ、をクリックすると「完了」ボタンがありますので、押して実行します。すると、Cドライブのすべてが一つの大きなファイルとして、Dドライブ等にバックアップされます。Cドライブの使用容量とDドライブの空きを確認してから実行するようにしましょう。
 実行中は、他の作業を行わないことです。所要時間は、30分から1時間程度、最後にFDにASRバックアップの設定情報が書き込まれます。

 ※2007/5/24 注
 ASRバックアップ機能は、Windows XP Home Editionには、備わっていませんでした。
 XP Homeの方は、市販のソフト等をご利用ください。
 大変、失礼いたしました。
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パソコンの老を防止する-2 (データのバックアップ)

データもうっかりすると、消失することがあります。それを防止しましょう。
 特定のパソコンでは、そのためのバックアップソフトが添付されていて、比較的、簡単にデータのバックアップが行えるものがあります。
 たとえば、富士通の機種では、「簡単バックアップ」というアプリが付属しているものがあり、バックアップデータの種類を選択して、Dドライブ等にコピーできるようになっています。
 しかし、そういうソフトが付属していない場合は、市販の適切なソフト(たとえば、True Imageなどがあります)を購入して使用する方法もあります。

 一方、Windowsの標準の機能を使うときは、スタート→アクセサリ→バックアップでドライブやフォルダを指定して、データをバックアップするか、または、エクスプローラ等でコピーする方法があります。
 市販のソフトでは、スケジュール機能が付いているものもありますが、手作業でコピーを行うのは、面倒ですね。
 そこで、コピーのための「バッチファイル」を作成しておくのがお勧めです。

 たとえば、メモ帳で以下のような内容のファイルを作成し、「バックアップ.bat」のような名前でデスクトップ等に保存しておきます。
 なお、メモ帳では、拡張子が.txtとなりますので、必ず、「.bat」としておきます。
---------------------------------
 Cd□C:\Documents and Settings\ユーザ名\My Documents
 xcopy□ *.*□D:\フォルダ名□/S /D /R /H /F /Y
---------------------------------
 以上は、すべて、半角です(□は半角スペースを示す)。

 もし、Dのフォルダ名にスペースが入っている場合は、””で、”D:\フォルダ名”のようにくくる必要があります。
 上記のバッチファイルでは、マイドキュメント内のファイル(サブフォルダ内のものも含めて)の内、コピー先のD:\のフォルダに同じファイル名が存在しないものは、すべてコピーされます。(サブフォルダがないものは作成されます)
 また、同一のファイル名が存在してもマイドキュメント内のファイルより日付・時刻が古いものは、マイドキュメント内のファイルにより上書きコピーされます。
 ただし、マイドキュメント内に以前あったが、現在はなくなっているファイルやフォルダは、削除されずにそのまま残ります。
 (不一致が気になる場合は、適宜、バッチファイルを実行する直前にD等のバックアップデータ用のフォルダ内をすべて、削除してから、実行するのが簡単でしょう。)
 さて、上記のバックアップ方法は、デスクトップのバッチファイルをダブルクリックするだけです。
 実行中は、DOS画面の中にコピーされているファイル名が表示されます。
 なお、ドライブ番号(D等)の部分をUSBメモリー等のドライブ番号等に変更すれば、USBメモリーや外付けHDに同様にコピーすることも可能です。

 さらに、進んだ方法としては、コントロールパネルの中の「タスク」を使って新しいタスクとして、上述のバッチファイルを定期実行させることもできます。
 間隔は、3時間程度として、パソコンを起動している時間内に複数回、実行させるスケジュールを作成しておくと便利です。
 パソコンにログオンしていないときもタスクを実行できるようにしておくとパソコンの電源が入っていれば、常に、データを定期的にバックアップするので、安心度は高まります。
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パソコンの老を防止する-3 (バックアップの準備)

前述のようにデータの保存場所がマイドキュメント以外のものとして、代表的なものは、アウトルックエクスプレスやアドレス帳、メールアカウントがあります。
 簡単バックアップなどのソフトを利用しない場合は、あらかじめ、マイドキュメント内に保存場所を移動しておくのがよいでしょう。

(1)メールデータ(アウトルックエクスプレス6の例)
 まず、マイドキュメント内に「Mail」などの空のフォルダを作成しておきます。
 次に、アウトルックエクスプレス起動後にツールメニューからオプションのメンテナンスタブから保存先の変更を選択し、上記の保存先を指定して、OKとします。
いったん、アウトルックエクスプレスを終了して、再度、起動すれば、マイドキュメント内にメールデータが移動します。

(2)アドレス帳
 アウトルックエクスプレスのツールバーのアドレス帳のボタンからアドレス帳を起動します。
 続いて、ファイルメニューからエクスポート→アドレス帳として、適当な名前を付けて、マイドキュメント内に保存します。
 このとき、拡張子は、自動的に.wabとなります。

(3)メールアカウント
 アウトルックエクスプレスを起動後にツールメニューからアカウントを選択して、メールタブを選択後、メールアカウントをクリックしてから、エクスポートを選択します。
 エクスポート先は、マイドキュメント内とします。
 メールアカウントが複数ある場合は、それぞれについて、エクスポートを行います。

(4)その他
 メールルールは、上記の方法では、コピーできません。
 どうしても必要な場合は、専用のソフトを利用するか、レジストリからバックアップする方法があります。

(5)お気に入り
 C:\Documents and Settings\ユーザ名\Favoritesをマイドキュメントにコピーすれば、よいでしょう。
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パソコンの老を防止する-4 (バックアップ以外の方法)

 XPでは、システムの復元機能があります。 スタート→アクセサリ→システムツール→システムの復元です。
 復元ポイントは、新しいアプリのインストールなどの際に自動的に作成されますが、古いものから順次、消されてしまいます。
 システムの調子の良いときにシステムの復元から復元ポイントの作成で復元ポイントを定期的に作成しておくことは、よいことでしょう。
 ただし、データのバックアップは行われません。
 あくまでもWindows及びアプリのみです。ですので、簡易的な補助手段としてとらえておくのが良いと思います。

 このように「システムの復元」を使うと、データをそのままにして、システムの状態を過去のある時点まで戻すことができます。
 その方法は、システムの復元で、システムを復元する、を選択すれば、どの時点に戻すかを指定するダイアログボックスが出ますので、指定して実行します。
 短時間で過去の状態に復元できます。
 ただし、戻るのは、システムとプログラムのみですので、ウイルス対策ソフトのパターンファイルやWindowsのパッチなどは、過去の時点に戻ってしまいます。
 急いで、インターネットにつないで、各種のアップデートを実行しましょう。
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パソコンの老を防止する-5 (チェック&デフラグ)

バックアップが病院であるとすると、ドライブのチェックやデフラグは、日常の健康管理でしょうか。
 定期的(1ヶ月~3ヶ月毎)にドライブエラーのチェックを行いましょう。
 方法は、マイコンピュータからCドライブを右クリックして、プロパティを表示します。
 プロパティのツールタブに「エラーチェック」という項目がありますので、クリックして、「ファイルシステムエラーを自動的に修復する」と「不良セクタをスキャンし回復する」に両方ともチェックを入れてから実行しましょう。
 Cドライブの場合は、再起動後にチェックが実施されます。
 その他のドライブの場合は、Windowsのまま、チェックが実施されます。
 ドライブの大きさによりますが、2時間程度の時間が必要です。
 気長に終了を待ちましょう。
 また、ディスクのチェックが終了した後にスタートから「管理ツール」で「イベントビューア」でアプリケーションイベントを調べて、異常がなかったかどうかを確認してください。
 そして、同様にデフラグを実行して、ディスクのフラグメンテーションを解消しましょう。
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パソコンの病を癒やす (個別データの復旧)

何らかの理由で過去のデータに戻す必要がある場合は、単純なファイルであれば、Dドライブのバックアップ先のフォルダ内からコピーすれば、よいでしょう。
 リカバリ後にデータを戻す(リストア)場合は、後述します。
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パソコンの病を癒やす-2 (ASRバックアップデータのリストア)

システムの復元では、復旧できない場合や復元ポイントがない場合は、ASRバックアップデータを元にシステムの自動復元を行います。
 方法は、パソコンの電源を入れてから、キーボードの特定のキー(DELなどが多い)を押して、マシンのBIOS設定画面を出します。
 そして、起動ドライブをCD優先にして、WindowsのCDを挿入して、CDから起動のプロンプトが出ているときに、すかさず、エンターを押します。
 初期画面でF2キーを押して、作成してあるASR用のFDを挿入して、実行を指示します。
 初期化するHDの確認後にHDが自動的に初期化され、初期化が終了するとリカバリ元のファイルの選択画面が表示されます。
 ここで、バックアップしてあるファイル名(Cbackupなど)を指示すると、後は、自動的に復旧が進行することになります。
 なお、復旧後にBIOS設定で起動順序をHDに戻しておきましょう。
 ASR自動回復は、非常に強力で、システムからデータまで、すべて、バックアップ時点のものに復元されます。
 ただし、Cドライブ内のデータもバックアップ当時のものになりますので、以下のリカバリの場合を参照して、同様にデータのバックアップを実行する直前に取っておくことが望ましいと思います。
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パソコンの病を癒やす-3 (リカバリ)

リカバリとは、パソコンを購入時の状態に戻す操作をいいます。
 文字通り、起死回生の手段です。
 時間がかかるので、できれば、避けたいというのが本音でしょうが、人間、やらねばならぬときは、やらねばなりませんな。
 丸一日がかりの作業です。
 すなわち、システムの復元やASR自動回復などでは、どうしても復旧できない場合などに行うのが普通でしょう。
 リカバリの方法は、パソコンの取扱説明書にたいてい、詳しく書かれているので、必ず、熟読してから行ってください。
 病めるパソコンを救えるのは、あなただけですぞ! (そう、力むなよ~)

(1)リカバリ前の準備
 Cドライブ(リカバリの方法やパソコンによっては、HD全体)が初期化されるので、その点を説明書で十分に確認することです。
 また、データがDドライブにコピーしてある場合でも、他のメディア(DVDや外付けのHD)などにも2重にコピーしておくことを推奨します。
 なぜならば、リカバリ時点で肝心のHDが故障するケースや操作ミスも、まれにあり得ます。
 いずれにしても、リカバリを行うとデータも消えてしまうので、リカバリ前に再度、最新のデータのコピーを取る必要があります。
 ただし、ウイルスの感染やHDが不調の場合は、行うとかえって事態を悪化させる事があるので、行わない方がよいでしょう。

(2)リカバリの実行
 リカバリのためのパソコンの起動方法は、様々なので、必ず、メーカの取扱説明書に従い、リカバリを実行します。
 途中で止めることはできないので、ノートパソコンの場合は、電源アダプタにつないでから実行します。

(3)Windowsの設定
 正常に起動したら、パソコン購入時と同様にユーザ名の登録が必要です。以前と同一の名称としておくのが無難でしょう。
場合によっては、Windowsのシリアル番号を要求されることもありますので、パソコンの側面や裏面に記載されている場合は、あらかじめ、取扱説明書等の余白に書き取っておくのがよいと思います。

(4)アプリのインストール
 パソコンによっては、付属のDVDやCDからアプリを別途、インストールする必要があるものがあります。
 Officeなどもそういうケースが多いでしょう。
 その場合は、シリアル番号を要求される。CDのケースなどに記載されている番号が必要です。(要は、捨てないことです)

(5)インターネットの接続設定
 ルータを介さずにモデムに直接接続している場合などでは、インターネットの接続設定をやり直す必要があります。
 ウイルス対策ソフトのインストールが終了して、パターンファイルをアップデートする前は、インターネットに(なるべく)接続しないようにしましょう。

(6)データのリストア
 「簡単バックアップ」などの専用ソフトを利用する場合以外では、次のようにマイドキュメントやメールデータなどをリストアします。
①マイドキュメント
 バックアップ先からコピーします。
②メールデータ
 アウトルックエクスプレスを起動後にファイルメニューからインポート→メッセージを選択します。
 その後、プログラムの選択では、アウトルックエクスプレス6を選ぶ。
 次へ進むと、データの場所を聞いてくるので、アウトルックエクスプレスストアディレクトリからメールをインポートするに丸を付けて、選択実行します。
 リストアするフォルダは、すべてで問題はないでしょう。
③アドレス帳
 やはり、アウトルックエクスプレスのファイルメニューからインポートからアドレス帳でバックアップ先のWABァイルを指定して、インポートします。
④メールアカウント
 これは、ツールメニューからアカウントで、メールを選択して、インポートから、アドレス帳と同様にiafファイルをインポートします。
⑤お気に入り
 バックアップした際の場所にコピーします。
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パソコンの病を癒やす-4 (ウイルス・スパイウェア・不正接続対策)

まさに病ですな。ウイルスは。
 ということで、ウイルス対策ソフトやファイアーウォールなどは、必須の対策です。
 多言を要しません。
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パソコンの死 (廃棄)

いずれ、パソコンともお別れの時がきます。
 一部のデータについては、それが別れのときです。
 パソコンのデータは、HDに記録されていますので、パソコンの廃棄後にデータが流失しないようにしてから、廃棄する必要があります。
 ノートパソコンの紛失や盗難などの際の秘密保持も重要ですが、ここでは、述べません。

(1)ソフト的に完全消去
 HD内のデータ(プログラムなども含めて)は、フォーマットしても消えません。
 データを完全消去するソフトがありますので、それを利用します。
 また、パソコンによっては、メーカの出荷時にそのようなソフトが含まれている場合もあるので、それを利用することもよいでしょう。

(2)選択的に完全消去
 HD内のデータをすべて消去していけない場合もあります。
 たとえば、リカバリディスクが付属しておらず、リカバリデータがDドライブにあるようなケースです。
 このようなとき、パソコンを廃棄する場合は、(1)のように完全消去でよいが、そうでない場合(家族や他人に譲る場合など)は、Cドライブを選択的に完全消去した後にDドライブのバックアップデータなどを個別に消去する必要があります。

(3)物理的にHDを破壊
 デスクトップ型のように容易に筐体を開けられる場合は、HDのみを取り出して、ハンマー等で何回か強くたたくと読み出しができなくなります。
 そして、元に戻すか、不燃ゴミとしてHDのみを排出します。
 なお、パソコンをメーカでリサイクルする場合は、HDに穴を貫通させてから、金属としてリサイクルするとのことなので安心度は高いのですが、念のため、破壊しておくと安心でしょう。
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パソコンの再生 (データの移行)

 残すデータを新パソコンに移行するのは、当然ですが、旧パソコンを廃棄する前に行う必要があります。
 不幸にして、突然死(故障等でデータが読み出せなくなった)のときは、バックアップ先のメディア(DVDや外付けのHDなど)から新パソコンに移行することになります。
 省スペースパソコンやノートパソコンのようにHDが1台しか搭載できないパソコンでは、外付けHDやDVDなどの利用がどうしても必要なことがお分かりでしょう。
 日頃の備えがデータを救うのです。
 こうして、めでたく、残ったデータは、新しいパソコンで再生のときをむかえたのでした・・(おしまい)。
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終わりにあたって

 今回もご覧いただき、ありがとうございました。
 5月とはいえ、気温の変化が激しいようです。お元気でお過ごしください。
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