会員の皆様へ(2008年6月のご挨拶)

社内SNS/裁判員制度/サマータイム/派遣業法

目次

 イチョウ
 SNS
 ブログ
 掲示板
 社内SNS
 終わりにあたって
 ストップ・ザ・裁判員制度
 ストップ・ザ・サマータイム
 派遣制度を早急に原則廃止せよ(2008/6/9追記)

イチョウ

春になって気温が上がると相競うように木々の緑がいっせいに濃くなります。
 上掲の写真は、都内のとある寺に植えられているイチョウの大樹です。
 イチョウは、代表的な落葉樹で、東京都の木にも指定されています。
 今、「都の紋章・花・木・鳥」というページを見ると、その指定のいきさつが書かれていました。
 (http://www.metro.tokyo.jp/PROFILE/mon.htm)

 イチョウは、銀杏、公孫樹などと漢字でも書かれることがあるように中国原産ですが、日本には、古くからあるようです。
 太古の昔から日本に自生していたかどうかは、不明とのことです。
 情景は秋ですが、歌人 与謝野晶子の「金色(こんじき)のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に」は、つとに有名です。
(「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり岡の夕日に」(「舞扇」:1905年)が初出のようですが、現在は、前作の方がよく知られています。
 確かに調べが滑らかですものね)

 このイチョウ、樹皮が厚く、非常に丈夫な植物です。
 拙宅の近くの正蔵院にあるイチョウは、戦災で周りが真っ黒に焼けたそうですが、やがて、芽を吹き、現在では、上の写真に負けないような大樹になっています。
 木の下を通るとき、このお寺の幼稚園に通ったことを思い出します。
 2008年5月の大地震による被害を受けた中国四川省。
 イチョウのように力強く、以前にも増して、復興することを心からお祈りしたいと思います。
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SNS

ソシアル・ネットワーキング・サービス(システム)を略して、SNSといいます。
 日本では、ミクシィ(MIXI:http://mixi.jp/)が著名です。インターネットが匿名故に過激な表現・行動に走りがちなのに対して、原則、実名での抑制されたコミュニケーションを目指すものです。
 ミクシィは、招待制を採っているため、会員の招待がないと参加することはできませんが、いくつかのSNSでは、登録制となっています。
 たとえば、「SNSBox SNSを探す、見つける、参加する厳選リンク集」(http://snsbox.web.fc2.com/snslink.html)では、ミクシィ以外にも多くのSNSが取り上げられています。こんなにもあるのか、と驚きます。
 ただし、会員の増加とともに様々な問題が発生しているようであり、浮き世を離れた極楽世界と考えることには無理があります。
 また、SNSという体裁で実際は、「出会い系サイト」であったりと、非行や犯罪の温床となり得る部分も持っています。
 SNSといえども、所詮は、現実社会の写し絵だからではありますが。
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ブログ

「ブログ」(blog)(サービス)は、今では、知らない人が少なくなった用語であり、インターネット上のサービスですね。
 元々、ハッカーの間で使われていたウェブログという言葉が略されて、ブログと称されるようになったと言われています。
 日本では、「簡易ホームページ」とか「(インターネット上の)日記」と書かれることもあります。
 ブログの内容を見ると日記的なホームページが多いことは、確かです。

 ただ、内容に注目せずに「ホームページ作成サービス」としてブログサービスをとらえたとき、HTMLの知識が無くてもレイアウトや色彩などが選べて、容易にホームページを作ることができる点も魅力ですが、目次や索引などが、ほぼ自動的に作られ、トップページからリンクが張られる点が重要なポイントです。
 このようなことを自力でやろうとすると、かなりの努力が必要であることは、明白です。
 このようにブログは、実態は、ホームページであるため、作者が個人、法人であることを問わず、その目的は、情報の発信でしょう。
 コメントやトラックバック機能があるものの、SNSと比較すると、他者とのコミュニケーションという面は、希薄です。
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掲示板

インターネット上には「2ちゃんねる」をはじめとする様々な掲示板があふれています。
 掲示板の目的は、ブログと異なり、他者とのコミュニケーションです。
 たとえ、その内容が誹謗や中傷ではあっても、誰かに読んでもらいたいという願望がなせる業ではあります。
 しかし、故に、「荒らし」や「炎上」などの事態が起こることもあります。

 そんなことを考えると、生身の人は、本来、暴力的なものなのかとも思います。
 暴力を抑制する理性は、成長や教育とともに自然と生ずるものではなく、社会という存在あってのものでしょう。
 インターネットという匿名社会(本当は、「匿名」ではなくプロバイダーが知ろうと思えば分かることなのですが)では、社会から監視されているという自覚が薄いため、人が持っている暴力的な面が解放されてしまうことがあります。
 教育者や法曹関係者などでさえ、インターネットを利用することにより(携帯のメールもインターネットを利用しています)、犯罪者になってしまったという事例は、後を絶ちません。

 生まれたばかりの赤子は、清浄・無垢のように見えますが、成長するにつれて殺人などの犯罪を犯すものも現れてくる。
 いにしえの人もこの矛盾に悩んだことでしょう。
 仏教では、人は、「仏性」という仏になる種を持って生まれてきてはいるものの、「客塵」という(煩悩といってもいいでしょう)妨害物が人の周りに漂い、仏性の発達を阻害すると考えます。悟りを得るためには、修行によりそれらの客塵を切り捨てる必要があるわけです。
 菩薩(如来という悟りを得た仏になる前段階の姿)が剣を持っている姿で描かれることが多いのは、客塵を切り捨てる意味を表しているのです。
 これは、能動的な修行という面を持っています。

 かたや、「天知る、地知る、人が知る」という言葉は、受動的な戒めであります。
 神仏を信じることが少なくなった現代人は、かろうじて「人が知る」という一点で踏みとどまっているのでしょう。
 「天知る、地知る」の代わりが監視カメラというのは、身も蓋も無いようでありますが、監視されている(単に記録されている場合も含めて)という自覚が犯罪を抑止することは事実です。
 家や街にある監視カメラの防犯効果は、英国の例を挙げるまでもなく、大きいものです。
 SNSや実名掲示板では、それを「実名を名乗る」という行為で発生させようとしているわけです。
 しかし、規模が大きくなり、互いに他者がをよく知らない場合は、その効果も限定的とならざるを得ません。
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社内SNS

「社内SNS」という言葉は、ブログやSNSほどは周知されていないようです。
 そもそも、会社の中で、社内向けのSNSを利用する必要があるのか?、という疑問もあります。
 会社が数十名規模であれば、お互いに顔と名前を知っているのですが、数百~数千名になる会社では、すべての人を知っている人は、少ないのは、当然です。
 まして、地方の事務所がある場合などは物理的に無理があったりと、お互いに煩雑に会話を交わす範囲は、規模にかかわらず、案外と狭いものです。

 そういえば、映画「釣りバカ日誌」の中で、スーさんこと「鈴木社長」がまだ、ハマさんこと「浜崎さん」を知らない頃、エレベーターの中でか、「あれは誰かね」と総務部長に聞く場面が出てきましたね。総務部長も知らないため、さらに人事課長に聞くと「あれは、営業三課の浜崎・・」という場面です。

 社内のコミュニケーションを活発にしたり、アイデアを発展させたりするための社内向けのSNSがあります。
 社内向けSNSについては、株式会社 ドリコム(http://office.drecom.co.jp/)のサービスが有名です。
 ただ、個人、団体や試行的に会社で実施してみようという場合には、料金的にやや高いと感じられるかも知れません。
 割安感のある社内SNSとしては、「グループチューブ」があることが分かりました。
 http://grouptube.jp/から概要が分かります。
 ドリコムもグループチューブも、無料のお試し期間がありますので、テストして果たしてどの程度、役に立つかを体験できます。
 なお、社内SNSに関する書籍としては、
 「社内ブログ導入・活用ガイド」(木村早苗著:ドリコム監修:技術評論社:2007/8/1)、
 「社内ブログ革命」(シックスアパート(株)著:日経BP社:2007/1/22)がありました。
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終わりにあたって

 今回もご覧いただき、ありがとうございました。
 初夏とも言える日がある一方、薄ら寒い日があるなど、今年は、気温の変動が大きいようです。
 皆様、体調に気をつけてお過ごし下さい。
 では、今後とも、ご愛読のほど、お願いいたします。
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ストップ・ザ・裁判員制度

2008年5月24日に栃木県弁護士会が裁判員制度の延期を求める決議を行いました。
 いまだに、各地の検察、裁判所、弁護士会などが「サイバンインコ」、「サイサイ」やら、とんと、訳わからないキャラクターを繰り出してPRに努めている中での、勇気ある反対に敬意を表します。
 そもそも、このようなキャラクターを作り出し、懸命にPRしていること自体、推進者自身が制度の前途に不安を感じている証拠ですね。
 不安があるなら、中止しようではありませんか。少なくとも、延期するというのは、よい考えです。

 その後、インターネットを検索してみると、「裁判員制度はいらない 大運動」(http://no-saiban-in.org/)などのサイトがあることが分かりました。
 個人の方のブログなどでも次々と反対意見が掲載されています。
 現在、国民の間で、反対の機運が乏しいように見えるかも知れませんが、「後期高齢者医療制度」があれだけ、実施直後に叩かれたように、いまだ、多くの国民は、自分のことと、とらえていないから反対意見が出ていないだけに過ぎない。1年後に自分のこととになると一大反対運動が起きると思います。
 教育改革にしても、裁判員制度にしても、いきなり、全国的に展開する方法にも問題があるように思えます。
 せっかく「特区」制度を作ったのです、良いと思っても、まずは、特区で実施して問題がないかどうかを確認した後に全国的に実施に移すというのが普通の考え方でしょう。
 さあ、みなさん、大きな声で、「ストップ・ザ・裁判員制度」。

 追記:2008/7/27の読売新聞で福田首相が本制度が後期高齢者医療制度の二の舞になるのではないかと不安に感じている、という記事が載りました。
 「そりゃ、そうでしょ。あんたのカンは、正しいよ」と思わず、一人で合点してしまいました。
 制度の将来について、不安を感じていない人は、よほど、脳天気な人でしょう。
 少なくとも、福田さんは、本件に関しては、正直者でしたね。
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ストップ・ザ・サマータイム

サマータイム」も同様でしょう。
 「点いては消え、消えては点く、切れかかった電灯」のようなサマータイム運動です。
 戦後、ほんの少しの間、実施されたが、みんな、疲れてしまって廃止となった経緯を知らないのか?
 まして、温暖化が進んでいる今日、1時間帰宅を早くして、どうする! 「暑くて帰りが大変。
 じゃ残業、え、それもサービス残業だ」、「帰りに一杯?、いや、暑いから寄るのは止そうよ」。
 あに図らんや、飲み屋さん・飲食店は、不況に陥る。

 1時間出勤を早くして、どうする! 眠れないのに、さらに1時間早起きしなくてはならない。
 居眠り運転による事故多発をどうする!
 温暖化防止対策であれば、日本全体の白熱灯を蛍光灯に変更する方がまだ、効果があるじゃないのか。
 (拙宅では、白熱灯をすべて蛍光灯に変えました)
 さあ、みなさん、大きな声で、「ストップ・ザ・サマータイム」。
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派遣制度を早急に原則廃止せよ(2008/6/9追記)

また、無差別殺傷事件(2008/6/8 秋葉原)が起こりました。
 亡くなられた方々、重軽傷を受けられた方々に対して、心よりお見舞い申し上げます。
 犯人の行為は、断じて、許されるものではありません。私は、犯人を擁護するつもりは、毛頭ありません。
 そのことをまず、申し上げておきたいと思います。
 しかし、事件の背景に見え隠れするのは、「派遣社員」の置かれている、あまりにも非人間的な労働環境です。
 派遣労働者は、もはや、簡単にすげ替えの利く便利なロボットになりはててしまっている。
 このことを経営者の方々は、深刻に受け止めるべきです。
 派遣労働者が全労働者の3割になっているという事実は、異常としか言いようがありません。
 初期には、高度技術者に対してのみ認められていた派遣範囲が、産業界の要請に応える形で、なし崩し的に拡大し、今や、何でもありの制度になってしまっています。
 この制度の「改悪」に手を貸した官僚、政治家は、猛省すべきです。
 そして、もはや、現代日本社会の大病根になっている派遣制度は、早急に、原則廃止し、社員は、会社が直接、雇用するという当たり前の時代に戻すべきです。
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