LANLANパソコン(東京パックス/南中野パソコン教室のLAN化日記)

30. タイムサーバの設定変更 2006/9/1

(1)経緯

 前回の記事で、独立行政法人「情報通信研究機構」が発表した新しい時刻標準について触れた。
 今回は、その時刻標準を採用してタイムサーバの変更を行ったので、そのことについて記載する。

(2)新時刻標準

「情報通信研究機構」の2006/6/12付けのプレス発表(http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h18/060612-1/060612-1.html)によると、
「インターネットを介して配信される正確な時刻は、パソコン、情報家電やネットワーク機器などで広く利用されるとともに、e-Japan戦略の基盤として期待されています。これまで、NICTは安定した精度が得られる専用回線を用いた事業者向けのNTP時刻配信サービスを提供してきました。しかし、日本には一般に公開されているNTPサーバが少なく、混雑により精度が劣化することがありました。また、混雑している国内サーバを避けたユーザが海外サーバを利用することで海外サーバが混雑するという問題もあり、国内のNTPサーバの拡充が求められていました。このため、NICTは一般ユーザがインターネットを使って正確な日本標準時を直接利用できるNTPサービス提供の準備を進めてきました。」とあります。
 事実、当教室でもドメインコントローラを海外のタイムサーバに同期させずにシーデックス社製の電波時計を接続したパソコンを別途、立ててタイムサーバとして使用してきました。
 このタイムサーバ用パソコンは、タイムサーバとして使用するだけではなく、データのバックアップ用としても使っている。
 すなわち、ファイルサーバとしては、ドメインコントローラを兼用しているが、それらのデータは、定期的にプリンタサーバ用パソコン及びタイムサーバ用のパソコンにもコピーされている。これにより、三重にデータの安全性を確保している。
 しかし、前回も触れたように電波の伝播状態が悪いときもあり、時刻が正しく取得できないこともあった。
 そこに今回の発表である。
 「今回サービスを開始するシステムは、インターネットで最も広く使われているNTPに準拠しており、NICT内に設置され、日本標準時に直結したサーバの時刻精度は10ナノ(1億分の1)秒以内、処理能力は毎秒100万リクエスト以上の性能を有します。また、時刻源、サーバ、ネットワーク、電源の全てを冗長化構成することにより、高い信頼性を確保しています。この処理能力は世界最高性能で、現在の国内の需要を十分にカバーすることができると考えられます。」とあるように期待度は高い。

(3)タイムサーバ用パソコンの設定を変更

そこで、NICTのホームページに掲載されている方法(http://www2.nict.go.jp/w/w114/stsi/PubNtp/qa.html#q1-1)により、タイムサーバ用パソコンの参照時刻サーバの設定を変更した。
 具体的には、「日付と時刻」の設定で、「インターネット時刻」タブで、「サーバ」にntp.nict.jpと入力する。
 あとは、「Adjust PC」の設定でAdjust PCをクライアントとしても動作させるようにする。クライアントとしての動作の設定で、時刻標準を見に行く間隔であるが、30分~1時間程度として、差し支えないようである。
 また、校正の対象とする時刻差のしきい値であるが、デフォルト値より小さめの30ms程度として、これを超えて時刻標準と差がある場合は、校正する設定が良いようである。
 なお、これまでの時刻合わせのソフト(サービス)は、「無効」に設定し、現在、状況を見守っているところであるが、これまでのところ順調に推移しているようである。