「数式処理ソフト DERIVE(デライブ)も、今回で27回だな。このあたりで、DERIVEで、よく使う命令について、簡単におさらいをしてみようか」
「なんといっても「計算」(=)(ctrl+B)をよく使うわね」
「うん。これは、間違いないな。次によく使うのは、「代数」メニューの「変数の置換」(SUB)(ctrl+W)かな」
「そうね、これは、本当に便利だわ。複雑な式もいっぺんで代入できてしまうもの。ところで、読者に代わって質問だけど、上で書いているctrl+英字というのは、何?」
「おう、これは、ショートカットキーといって、マウスなどでボタンをクリックする代わりにキーボードで操作するためのものじゃな」
「ふ~ん。速く操作するときは、便利そうね」
「全部の操作をショートカットキーでやることもないじゃろうが、本当によく使うものを覚えておいて損はないの」
「あとはと、「代数」メニューの「式の置換」も三角関数の置換でお世話になったわ」
「そうじゃな。そのときは、詳しく書かなかったから、ここで、説明しておこう。
何かの数式でその一部の式または関数等を別の変数や関数などに置き換えたい場合に使うものじゃな。
さっきの「変数の置換」とまぎらわしいが、例を挙げて説明しよう。
(1) wSIN(t)/(COS(θ)COS(φ) + SIN(θ)SIN(φ))
という、式があったとする。ここで、cosφやsinφを違う変数にしたいとするときは、この「式の置換」を使う。これらを変数uとvに置換したいときに使う。
(2) wSIN(t)/(uCOS(θ) + vSIN(θ))となる。
これは、「変数の置換」では、やりにくい」
「できないわけじゃないの?」
「φとuなどが一対一に対応していて、簡単な関係があれば、できることもあるが、三角関数などの多価になるものについては、やりにくいのう」
「なるほどね。「解く」メニューの「方程式・・」は、当然よね」
「当然じゃ。これは、DERIVEの一番のウリの機能じゃからな」
「そうそう、グラフの中に文字を入れていたけど、その方法は、説明したっけ?」
「いかん。忘れとったな。
数式ウインドウ内では、「挿入」メニューから「テキスト」。テキストは、数式が選択されているときは、その下にテキスト行が挿入される。グラフウインドウでは、「挿入」から「コメント」じゃ。コメントは、ワードのテキストボックスのように位置を移動できるのじゃな」
「文字の大きさや書体は、変えられるの?」
「数式ウインドウ内は、「オプション」メニューの「表示設定」から「新規テキストのフォント」で変更できる。ふつうは、そのままでよいじゃろうが。
グラフウインドウ内のコメントは、入力時かまたはコメントを右クリックして、編集から「フォント」ボタンを押すと変更できる」
「あ。あと、数式ウインドウ内で数式をクリックした拍子に点線で囲まれてしまうことがあるわね」
「それが、「編集状態」になったことを表しているのじゃ。
その際は、数式入力行内をクリックして、エンターを押せば、解除できるし、数式入力行内に編集状態になっている数式の内容が表示されているので、そこで、内容を変更できるという訳じゃ」
「あんまり出てこない命令はと言えば、「解析」メニューね」
「そうだな。「微分」、「積分」、「極限」、「総和」、「乗積」、「数列の作成」などは、上で書いた基本的な操作に比べれば、使う頻度は、少ないが、今後は、そこそこ、登場して来るじゃろう」
「「代数」メニューの「因数分解」や「展開」なんかは、あんまり出番がなかったわね」
「ま、計算を指示したときに、自動的に実行されていることが多いことも原因じゃろうな」
「それだけ、自然にDERIVEがやってくれるということかしら」