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笑い話

更新日:2017/4/11

冥土の渡し

これまでに「今月のご挨拶」に掲載してきました「笑い話」を独立させたものです。
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 えー。毎度、ばかばかしい、お話ですが、よろしく、おつきあいのほどを・・

(冥土に渡る亡者) 「お。えらく、広い川だな。向こう岸が見えないな。これが、話に聞く、三途の川か・・」
(と、しばしの感慨にふける)
(冥土の案内係) 「えー。冥土に渡る人は、こちら。冥土に渡る人は、こちら~」
(と、けたけたましく、ハンドマイクで叫んでいる)
(亡) 「えらく、騒々しいな。それにしても、また、ずいぶん、混んでいるね」
(係) 「いらっしゃい。混みあっていて申し訳ありません。最近、日本からのお客さんが、多くなっていますんで」
(亡) 「へえー、そりゃそうだろうな。ときに、窓口が、ずいぶん、たくさん、あるね」
(係) 「どうぞ、「にほんご」と書いてある窓口に行ってくださいな」
(亡) 「なんで、別々なんだい」
(係) 「冥土に行くためのオリエンテーションをやりますんで。日本から来た人は、ちゃんと、聞いてくれるんで助かります」
(亡) 「ここまで来て、話を聞かない奴もいるのかい」
(係) 「はい。フ○ンスやイ○ドからの人たちの中には、こちらの話をあんまり聞かない人もおりますんで、困ってます」
(亡) 「ほー。受付は、きれいな、お姉さん達だね。いや、若いね。「奪衣婆」というから、おばあさん、ばかりと思ったのに」
(係) 「そいつは、大昔の話でさ。人手が不足していますんで、大勢、手伝いが来ています。受付は、その手伝いの者がやってます」
(亡) 「手伝いね、へー。いったい、どっから来るんだい」
(係) 「えーと。今いるのは、地獄から来ている者ですな。地獄に行く亡者が増えて、景気が良くなってるようです。今じゃ、地獄も極楽も、身なりじゃ見分けがつかない時代になりましたよ。」
(亡) 「極楽からも来るのかい」
(係) 「半年交代制にすると、えんま様と観音様との覚え書きで決めてますんで。確か、来月からは、極楽の者に交代です」
(亡) 「行き届いたもんだな。また、やけに地面が平らだね、それに渡し場に手すりがある」
(係) 「今年は「冥土バリアフリー化推進年」になっているんです」
(亡) 「驚いたね。なるほど、車いすの人なんかも、ずいぶん、いるね。でも、あれだなぁ。極楽に行ければ良いが、地獄に行った日には、針地獄なんかで、鬼達にいじめられるのかな」
(係) 「ご安心を。それは、昔の絵双紙の話で。元々がうそ」
(亡) 「それは、ちょっと、安心した」
(係) 「地獄でも、亡者の自治権が認められてますよ。えんま様が亡者の権利擁護に大変、ご熱心なお方なもんで、極楽からも、見学団が来るくらいですから」
(亡) 「ほう。日本の人はいるのかい」
(係) 「そうですな。えーと。日本から行った人では、石川五右衛門という方が昔、自治会長になっていらっしゃいますな」
(亡) 「知らないことばかりだな。生きている奴らに教えてやりたいもんだ」
(係) 「旦那、それだけは、無理です。ここから、戻った人はおりません」

 お後がよろしいようで・・

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