「不定方程式ってなにかしら?」
「ともちゃんか。ここのところ、毎回、登場じゃな。ご苦労様」
「春休みよ!」
「不定方程式というのは、変数の数よりも方程式の数の方が少ない(連立)方程式じゃよ。
すなわち、解が一般に無数に出てくるのだ。
たとえば、k、m、nが整数であるとするとき、k^2+m^2=n^2というのは、有名なピタゴラスの方程式じゃな」
「これだと、変数が3つあるのに式は、1つしかないのね」
「この場合は、3変数の比は、k:m:n=(M^2-N^2):2MN:(M^2+N^2)に限ることが知られている。ここで、M、Nは、任意の整数じゃ」
「DERIVEで、k^2+m^2=n^2に代入すると、あれー。0=0となるわ」
「恒等式といって、方程式を満足している証拠じゃ」
「数式処理ソフト DERIVE(デライブ)で答えが出るのかしら?」
「う~ん」
「珍しく、困っているのね」
「そのとおり。こういうように、解が整数に限る、というような問題は、DERIVEでは、解きにくいの。
この解が方程式を満足していることは、すぐ分かるが、機械的に(DERIVEで)これを求めることが難しい。今後のわしの宿題じゃな」
「がんばってくださいね」
「あはは。ところで、不定方程式は、変数がいつも整数というわけではない。
たとえば、放物線y=-x^2+1と交わる直線y=x+bを求めよ?」
「えーと。直線の式からyを求めて放物線の式に代入すると、x^2 + x + b - 1 = 0となるので、判別式≧0からb≦5/4となったわ。不等式もDERIVEで解けるのね!」
「なるほど。受験数学の成果じゃな。判別式に気がつくところがの」