コミカンソウ(小蜜柑草)
パソコンで困ったときの解決法(取扱説明書を読む)
パソコンで困ったときの解決法(メーカーのQ&Aのページを見る)
パソコンで困ったときの解決法(ファームウェアやドライバソフトの更新)
パソコンで困ったときの解決法(ソフトウェアの更新)
パソコンで困ったときの解決法(電話で尋ねる)
パソコンで困ったときの解決法(修理・交換)
パソコンで困ったときの解決法(パスワード帳を作る)
パソコンで困ったときの解決法(その他)
終わりにあたって
おまけ(データの改ざん)
いわゆる「雑草」です。
今年は、どういうわけか、この草が小さな庭にはびこってしまいました。
何という名前の草なのか、調べてみますと、「小蜜柑草(コミカンソウ)」という風雅な名前の草(トウダイグサ科コミカンソウ属)と分かりました。
上の写真で、左側に私の指の一部が見えますが、本当に「小さい」実が葉の裏側にびっしりと付いています。色は、段々に緑、黄色から赤くなります。
この小さな実を「まるでちっちゃいミカンみたい」と感じた人の感性は、素晴らしい。
姿、形は分かっているが、名前の分からない物を検索するのは、インターネットでも、なかなか骨が折れます。
オジギソウのような感じの葉なんですが、触れても、お辞儀はしません。
今回は、「雑草」、「葉の裏」、「実」とキーワードを並べて、Googleで検索してみますと、いろいろな検索結果の中に「コミカンソウ」という名前を発見。
これかなと「コミカンソウ」であらためて、検索すると、たとえば、「花図鑑 サイクリング日記」(http://homepage.mac.com/n_yoshiyuki/index.html)などのページに写真入りで説明がありました。
ま、こういうような場合は、よくご存じの方に実物を見せて聞くのが手っ取り早いでしょう。まさに「百聞は一見にしかず」です。
一年草とはいっても、これだけ、実が付いていると、来年も悩まされそうです。抜くのは、比較的、簡単なんですが。
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「2010年8月の「パソコンで困ったときの解決法」の続編ね。
でも、みなさん(あたしもだけど)、パソコンの取説って、読まないわね」
「ともちゃんか。今月も、ご苦労じゃのう。
わしもそうじゃがな。とはいっても、困ったときは、まずは、ハードやソフトの取扱説明書を読む、というのは、基本中の基本じゃろう」
「でも、この頃は、冊子の形で添付されなくなったか、または、あっても薄くなってしまったはね」
「まったくじゃ。
アドビ社のアドビリーダーで読める形式、すなわち、PDF文書等を製品付属のCD内に同梱するものが多いようじゃ」
「そのためには、アドビリーダーの使い方を知っている必要があるよね」
「そう。そこで、メーカーによっては、アドビリーダーを意識せずに使えるような工夫をしてはおる。
たとえば、このエプソン社の製品には、「まにゅあるビューア」というような機能があって、元々のデータは、PDF文書なのじゃが、あまり、そのことを意識せずに使える」
「前回の「パソコンで困ったときの解決法」に掲げるべきだったかも?」
「まあ、そうではあるがな。あまりに基本的な話なので、省略してしまった。
ま、いずれにしても、自分のパソコンの基本的な特徴を知っておくべきではあるのでな。そのためには、取扱説明書が最適じゃ。
IBMのホームページビルダー(パッケージ版)の取扱説明書は、昔から大部の物を添付している。その点、さすがに、IBMだと思うのう」
「なるほど。
ま、パソコンやソフトのメーカー名、スペック(OS、メモリー容量、ハードディスクの容量)程度は、知っていないと他人に、相談できないわね」
「そういうことじゃ。あと、インターネットのプロバイダー名、ユーザID、パスワードなども重要だな」
「それが分からなくなっている人が多いわね~」
「パスワード帳を作ることについては、後述しよう」
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「昔からだけど、サポートの電話は、なかなか、つながらないわね」
「まあ、無理はないと思う。
そこで、インターネットをある程度使える人は、まず、Googleなどで、やみくもに検索する前に、それぞれのメーカーのサポートページを確認することからはじめるとよいじゃろう」
「具体的には?」
「ハードにしても、ソフトにしても、たいていの製品では、メーカーのサポートページに「Q&A」のようなコーナーがあるじゃろう。
まずは、自分が困っているのと同じような問題を扱っているかを見つけるのじゃ」
「そういうときは、「情報検索」の「コンピュータ企業 https://www.tokyo-pax.com/computer.htm」、「ソフトウェア企業 https://www.tokyo-pax.com/software.htm」が役に立つわね」
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「これは、いわゆる、パソコン周辺機器の場合ね」
「まあ、ほとんどは、そうじゃな。
パソコン本体の場合は、BIOS(バイオス)の更新がこれにあたるじゃろう。
ただし、BIOSの更新は、気をつけないと起動できなくなってしまい、メーカー修理が必要になることもあるので、十分に注意して、実行する必要がある。
パソコンに詳しくない人は、無理にせん方がええじゃろう。
ついでに書いておくと、ファームウェアというのは、書き換え可能なROM(EPROM)やフラッシュメモリーに書き込まれているソフトウェアを言うのじゃ。
BIOSもその仲間じゃな」
「ドライバ・ソフトは、文字通り、ソフトウェアだけど、OSと周辺機器との間でデータを受け渡す重要な役目をするのね。
原則として、マイクロソフトの署名入りのドライバソフトを使う方がいいけど、周辺機器メーカーが独自に署名がなくても有効であると保証しているときは、インストールしてもいいわよ。
パソコン本体以外の周辺機器としては、こっちが、メインだけど、プリンタ、スキャナ、ルータ、外付けハードディスク、マウス、無線式キーボード、
ビデオボード、LANボード、サウンドボードなどなど、たくさんあるわね」
「そう、ファームウェアやドライバソフトの更新で、さまざまな不具合が修正されたり、速度が速くなったりすることがある」
「新しいOS、Windows 7に対応したりできるケースもあるわ」
「この点もメーカーのホームページを、できれば、半年~1年にいっぺんくらいは、覗いてみたりすることも必要じゃな」
「ユーザ登録しておくと、更新されたときに、メールで案内が来る特典があるわね」
「そう、たとえば、エプソン社のプリンタなど、さまざまな機器で、そういう利便性があるので、面倒がらずにユーザ登録するというのも、トラブル解決法としては、有効じゃな」
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「ハードに対するソフトの更新ね」
「そう、本体のBIOSに相当するのは、Windows自身じゃろう。
毎月、第2水曜日(米国時間)に主として、セキュリティ上の欠陥(脆弱性)に対する修正プログラムがインターネットを使って配信されるのは、ともちゃんも知っておるじゃろう」
「Windows Update(Officeなども含めるときは、Microsoft Update)ね。
緊急の場合は、不定期に配信されることもあるけど。マイクロソフトのダウンロードセンターから個別にダウンロードもできるけどね。
アプリケーションは、マイクロソフトのOfficeを筆頭に、Adobe(アドビジャパン)のアドビリーダーやFlash Player、ORACLE(オラクル)のJava VM(ジャバ仮想マシン)の更新も、しょっちゅう、あるわね」
「Windows Updateの重要な更新は、XPのSP2以降、自動的に適用されるのじゃが、それ以外の更新は、自分でそれぞれのソフトについて、インストールを指示しないと更新されない。この点は、注意が必要じゃ。
なお、Java VMは、昔は、マイクロソフトがWindowsとともに提供していたこと(Microsoft VM)もあるが、その後に、本家のサンマイクロシステムズに移り、最近、サンマイクロがオラクルに買収されて、オラクルから配信されるようになった。
他にも、ジャストシステムの一太郎やATOK、アップルのiTunes、QuickTimeなども、外せないのう。
Java VMは、コントロールパネルにアイコンがある。その他は、ヘルプメニュー等に更新の確認のリンク等があるのでそれを利用するのが手っ取り早い」
「でも、この頃は、フリーウェア、シェアウェアの脆弱性に対する修正パッチも必要ね」
「そのためには、脆弱性データベース(http://jvndb.jvn.jp/)やベクター(http://www.vector.co.jp/)などで、情報を定期的に収集しておく必要がある。
最近も、Lhaplus(バージョン 1.57以前)やLhasa(バージョン 0.19以前)の脆弱性が発見されたばかりじゃ」
「ベクターなどでは、メールアドレスを登録しておくと、修正や更新が行われたときに、お知らせメールが来るので便利だわ」
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「最後の手段ね」
「まあ、そうじゃのう。ただ、相手と時間を考えないと、いけない」
「そうね。プリンタのことをパソコンメーカーに聞いても、満足な返事をもらえないでしょうし」
「なので、パソコンがちゃんと動くときに、連絡先を調べておくことが肝心じゃな」
「なるほど、パソコンを1台しか持っていない人は、パソコンの調子が悪いときにインターネットで調べようにも調べられなものね」
「とにかく困った、というときは、パソコン電話相談や出張サービスの利用も、有料ではあるが、どうしても、というときには、頼んでみるのも一つの方法じゃろう」
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「はあ? 修理ね」
「そりゃ、パソコン本体にしても、周辺機器にしても、寿命があって、いつかは、壊れるんじゃから。そのときは、修理なり交換を頼まにゃならんじゃろう。
たとえば、エプソンのプリンタであれば、「ドア to ドアサービス」 のようなものもある。最短、3日程度で戻ってくることもある」
「これは、ハードウェアだけね」
「うん。ま、そうじゃな。
理論的には、パッケージソフトを購入して、開封してみたら、CDに傷が付いていたというようなケースも絶無ではないがな」
「ルータなどのレンタル製品の時は、無償で修理・交換してくれるわ」
「使っているルータやモデムが、レンタルなのか、買い取りなのかは、月々の請求書の明細を見れば分かるはずだ」
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「これは、「パソコンで困る前の準備」という方が正しいわ」
「まあ、それは、そうじゃ。ここでは、題名を統一してみただけじゃ」
「どんな感じにすれば、いいのかしら?」
「下のような表を作ってみたらどうかな。
別に他人に見せるわけではないので、あまり体裁にこだわらんでもええじゃろう。
Excelなどで作って、相手先名順に並べ替えておくのがよい。段々に増えていくので、その都度、書き足していく必要がある。
急ぎの時は、手書きで書き足して置いて、あとで、まとめて、入力してもよい」
「パスワード記録用ソフトを使う方法もあるわね」
「もちろん。そのようなソフトを使うのも便利じゃと思う。
ただ、非常に重要な情報を記載するので、使うソフトの信頼性を見極めることも必要じゃ。
また、パソコン本体のマイドキュメントなどに保存するのは、できるだけ、避けた方がよい。
どうしてもというときには、暗号化ソフトなどで厳重なパスワードを設定しておくのじゃ」
「というと、外部媒体、たとえば、FDやUSBメモリーなどに記録しておく方がいいということね」
「そう。ただし、記録媒体が壊れることもあるので、別の記録媒体にコピーしておくとよい。
それから、やはり、ときどき、紙に印刷しておくのも必要じゃ。手書きで書き足したり、訂正できる」
「最後は、アナログ的な方法になったわね」
「印刷は、原始的な方法じゃが、いざというとき、効力を発揮するのう。
それと、手書きメモを入力、印刷したからといって、安心して、古い手書きの紙を捨ててしまわずに、しばらくは、取っておくことじゃ」
「なるほど。入力ミスもあるからね。
紙ファイルなどに綴じておけば、散逸しないわ。
ただし、こういった紙を廃棄するときは、シュレッダーにかけたり、小さく破ったりして、容易に読み取れないようにしておかないといけないわよ」
相手先名 | ID(相当を含む) | パスワード | 質問 | 答え | 備考 |
ヤホ | 123456 | ○○○ | ▲▲ | □□ | 2010/10登録 |
楽楽 | 55555 | ●○○ | □□ | △ | |
「これ以外にも、バックアップだとか、システムの復元だとか、いろいろとあるわね?」
「うん。ただ、そういったことは、以前書いたことがあるので、今回は、省いたのじゃ。
わしの書いたホームページで役に立ちそうなものを下の表にまとめたので、何かの参考にして欲しい」
「少し前のは、Windows 7以前のものだから、最近の状況に対応していない場合もあるので、そのあたりは、気をつけてね」
「そうそう、うちでは、無線LANを、あまり使っておらん。これまで、書いたものには、情報が不足していると思う。
無線LANは、個人の利用者も増えているし、家電製品なども、今後は、どんどんとLANでつながる時代が来る。
トラブルも増えると思う」
「なんといっても、無線というぐらいだから、ケーブルがゴチャゴチャしなくていいわ」
「む、そのとおりじゃ。速度もずいぶんと速くなっている。
ただ、見えないだけに、接続できない場合の原因の切り分けが難しかったり、家の外からLANに侵入されるおそれがある」
「ホント、無線LANならではの、セキュリティの抜け穴には、気をつけないといけないわ」
「その辺は、参考書がいろいろと出ているので、読んで、安全、安心して、無線LANを使っておくれ」
年月 | タイトル | 概要 |
2010/08 | パソコンで困ったときの解決法 | 参考書などの情報源 |
2010/01 | 印刷トラブル解決法 | 印刷のトラブル |
2009/05 | Accessの参考書とバックアップ | バックアップ |
2007/10 | パソコンのセキュリティ対策 | セキュリティ |
2007/05 | データの生まれてから無くなるまで | データの保全 |
2008/09 | ファイルコピーツールの活用 | バッチファイル |
2008/09 | USBメモリーの利用制限等 | USBメモリー等のセキュリティ |
2009/04 | ウイルスバスター・ビジネスセキュリティのその後 とデータのバックアップ体制 |
データのバックアップ |
今回もご覧いただき、ありがとうございました。では、来月まで、どうか、お元気でお過ごしください。
今後とも、ご愛読のほど、よろしく、お願いいたします。
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「事実は、小説よりも奇なり」(イギリスの詩人、バイロンの言葉(Truth is stronger than fiction.)を徳富蘆花が訳した言葉だそうです。
ヤフー知恵袋などから、知りました。)
今月のご挨拶で、2009年12月、「クラウドコンピューティングと銀行預金」というタイトルで書いた記事の中に、
「・・特に、データの改ざんについては、社保庁の「消えた年金問題」を除くと、目下のところ、あまり社会的に大きな問題にはなっていませんが、改ざんの有無について、委託する側にデータがないと(それ以外の技術的な対応策もありそうですが)、そもそも改ざん行為に気づきにくく、また、気づいても立証することが困難であることから、今後、より注意が必要な部分でしょう。」と記述しました。
検察庁は、字義通りのクラウドでは、ありませんが、リアル・クラウドというべきものでしょう。まさに、ぴったりの内容でした。
これには、私自身がびっくりです。
そもそも、今回の郵便不正事件は、障害者宛の郵便料金が通常よりも低額になっていることに目を付けた「凛の会」なる団体による詐欺事件でした。
最初は、偽の証明書を利用した単純な事件かと思われましたが、郵便事業会社に提出した証明書は、厚生労働省の担当課長の公印が押された真正のものでした。
このことで逮捕された担当者の「課長の指示による」という証言(後日、虚偽と判明)より、元課長である現職局長の逮捕という事件に発展。
第1審で元課長には、無罪の判決があり、検査側も控訴を断念し、事件は、収束したかに見えました。
ところが、後日、元課長の起訴にあたった検察側責任者である検察官が、検察側の描いていた事件の構図に合うよう、FD内の文書のプロパティ(作成日時、更新日時、アクセス日時)を変更したという前代未聞の事態が発覚しました。
この比較的小さな事件は、検察庁幹部の免職や懲戒、辞任という大事にまで至りました。未だ、先が見えない部分があります。
まさに、これは、クラウド側によるデータの改ざん事件にもなりました。
ただ、幸いにも、証拠品の押収時にプロパティを記載した証拠が別にあり、改ざんを実行した検察官は、このことに気づかなかったこと。
すなわち、組織ぐるみでは、なかった(少なくとも現時点では)ことです。
もし、これが残っていなかったとすると、改ざんの発覚が遅れたり、改ざん行為がいつ、どこで行われたかということが、必ずしも、明瞭にならなかったと思います。
(図は、ファイルのプロパティの例)
今回は、クラウド側の一個人の明らかな悪意の元に、データの改ざんが行われました。
このことも、上記の記載の中で、「・・むしろ、クラウド側の一部の人間やテロリスト、反クラウドコンピューティング派、大規模な停電や天災、偶発的な事故等の様々な原因で、大量に蓄積されたデータが損壊される可能性の方が高いと思われます」と述べたことと符合します。
一方、事件で興味深いことは、「凛の会」、「厚生労働省の担当者」、「検察官」の間に共謀などの強い関係がなく、非常に弱い関係しかなかったことです。
いわば、ひとつの「うそ」が別の「うそ」を呼び出していくという事件でした。
「因果はめぐる小車」という言葉を思い出します。
なお、今後は、デジタルデータの証拠品に対しては、紙文書などに比して、より強力な保全措置を講じないと、同様の事例(あってはならないことですが)を防止することは、いっそう困難になると思われます。
具体的には、データファイルであれば、そのハッシュ値を押収直後に計算・記録しておき、改ざんが行われたかどうかを検出できるようにすること、私物パソコンの持ち込みをいっそう厳重に禁止すること、証拠品の持ち出しの制限などが考えられるでしょう。
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