会員の皆様へ(2013年10月のご挨拶)

私の小道具4

目次

 コウモリ増えたよ
 ドキュメントスキャナーで紙文書をPDF化
 裁断は手動裁断機がないと苦しいよね
 終わりにあたって

コウモリ増えたよ

「見てみて!
コウモリが増えたよ」

「ともちゃんかい。
本当じゃな。今年は、暑かったせいかのう」

「あたしがぱっと目で見たところ、5,6匹飛んでいたわ」

「本欄では、毎年のように(ウサギ)コウモリについて、話題にしておるが、どこに住んでおるのか、皆目分からん。
小学校の校舎が木造だった頃は、瓦の下や軒先などに住み着いておるのかと思っておったんじゃが、コンクリートに改築されて、ずいぶん経つものな」

「あらためて、見ると、学校の庭の上ばかりではなく、駐車場や神社の森など、結構広い範囲を飛び回っているのね」

「暑さ寒さも彼岸までというように、今年は、彼岸を過ぎた頃から急に涼しくなってきたから、コウモリの姿もそろそろ見納めかのう」

「なんか、夏が終わると、寂しくなっちゃうわね」

「今年は、寒い冬になるという長期予報もあるから、気をつけんといかんな」
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ドキュメントスキャナーで紙文書をPDF化

「『自炊』用を兼ねて、とうとう、買うてしもうた」


「ドキュメントスキャナーですか。


ずいぶん小さいのね」

「『私の小道具4』のNo.1として、まずは、これを紹介しようかの。
PFU製のドキュメントスキャナー。『ScanSnap』、型番 iX500 じゃ。
ヨドバシカメラ価格で、ヨンキュッパー、すなわち、49800円じゃった。
少し高いと感じるかもしれんが、後述のように、Adobe Acrobat Ⅺ スタンダード版がバンドルされていることを考えると、そう高いものではない。購入したのは、2013/5末じゃから、現在では、価格は、違ってきているかもしれん。
PFUのスキャナーのページは、こちら http://www.pfu.fujitsu.com/imaging/。

左上図は、ふたを閉じたところを前方上方から撮った写真じゃ。
高さ:約17cm、幅:約29cm、奥行き:約16cm程度と非常にコンパクト。
一方、左図は、上ふた及び下ふたを開いて、原稿をセットしたところ。
高さ:約24cm、奥行きは、約47cm程度に展開される。
(左図では、下の用紙が排出される受け部の一部が展開されていない)
色は、ブラックで重厚感があるじゃろう。






「普通のスキャナーとどこが違うのかしら?」

「前から教室にある、スキャナーは、『フラットベッドスキャナー』と呼ばれるタイプじゃ。
下図のような製品じゃな。(こちらは、エプソン社製のGT-X770、解像度は、50dpiから6400dpiまで変更可)
いわゆるコピー機のような平らなガラス面にスキャンしたい対象物を下向きにして置き、スイッチを押すと、製品内部の走査部がガラス面の下を光を放ちながら移動して、対象物に当たって帰ってきた光を読み取る仕組みじゃな。
走査部は、軽くて堅牢な仕組みじゃから、精密に走査を行えるので解像度が高く、対象物が分厚いものでも良いところが強みじゃが、スキャンに時間がかかる難点がある。また、一回ずつ、ガラス面に置いては、スキャンしてという操作が必要じゃから、大量の書類のスキャンには向いていないことがわかるじゃろう。
 ドキュメントスキャナーでは、走査部は、動かずに、スキャンされる対象物の方が動くという仕組みになっている。
 ちょうど、FAX付き電話機のFAX部のようじゃ。
連続して大量の書類をスキャンできることと走査速度が速い点がなんといっても最大の特徴じゃ」

「どのくらい速いのかしら?」

「購入前に、インターネット上で調べて見たんじゃが、やはり、ダントツ人気で、PFU製のScanSnapを推すページが多かったな。
 ただ、速度については、わしは、半信半疑なところもあったんじゃよ。
 確かに、フラットベッドタイプよりは、速いじゃろうが、Webで書かれているほど速いのかどうかなと」

「ところが、実際に試したら速かったということね」

「そうなんじゃ。
 フロッピーしかなかった頃に、ハードディスクを買ってきて、そのスピードに驚いたという感じかのう。
 人間は、頭では、速いことは、分かっていてもな。目にすると、驚く、そういうもんじゃ」

「カタログでは、A4縦の用紙で、分速25枚ということね」

「分速25枚というと、2秒に1枚に近いから、相当速いことが分かるじゃろう。しかも、両面同時にスキャンできるのだから、雑誌などのページ番号から見れば、1分間に50ページ分じゃから、100ページ(用紙は50枚)程度の雑誌は、約2分で読み取ってしまうことになる。
解像度は、ファインモード(カラー:200dpi、白黒:400dpi相当)が標準で、ノーマル(カラー:150dpi、白黒:300dpi)、スーパーファイン(カラー:300dpi、白黒:600dpi)、エクセレント(カラー:600dpi、白黒1200dpi)を備えている。ただし、エクセレントモードでは、7枚/分に落ちる。
 実用上は、ファインモードで差し支えないように思うが、カラー写真などが多く載っているページを綺麗に残したい場合は、スーパーファインモードにすれば、良い」

「その読み取りモードや用紙サイズなどは、どこで設定するのかな?」

「ScanSnapの付属ソフトをインストールすると、タスクバーに常駐アイコンができる。それを右クリックして、Scanボタンの設定を押すと、下図のようなダイアログボックスが開くので、ここから設定すれば、よい」


「白紙ページを自動的に削除というのは、チェックが付いていないね」

「白紙ページとみなされる場合に、読み飛ばしてしまう設定じゃが、雑誌や本などでは、ページが狂ってしまうので、あえて、チェックを付けていない」

「保存はどうなるのかな」

「ScanSnapでは、いったん読み取った画像を自動的にピクチャなどに仮に保存してから、ScanSnapで設定したフォルダに時刻をファイル名に入れた状態で自動的に保存される。通常は、PDF形式にしておけば良いじゃろう。PDF形式に変換されたファイルは、そのままほっと置いても、テキストを埋め込んでくれるが、ScanSnap Organizerというソフト画面で、「検索可能なPDFに変換」を手動で実行するとはやい」

「パソコンとの接続は、USBでいいんだね」
「今回の機器は、USB 3.0に対応していたので、PCのUSB 3.0のインターフェースを使って見たが、こちらも速いのう」

「スキャンし終わるのと、保存が終了するのと、ほとんど、同時だね」

「そうじやな。
繰り返すようじゃが、ScanSnapからスキャン後の用紙が出てくるのだが、それを取りのけるのが間に合わないようなスピードじゃからな。驚くのう」

「アドビ社のAdobe Acrobat Ⅺ スタンダード版がバンドルされているところも、お買い得だね」

「そうじゃな。
単体でスタンダード版を購入すると、ヨドバシカメラ価格で、約31500円するソフトじゃからな。
ただ、Acrobatを持ち出さずとも、PDFの挿入、削除などは、さきほどのScanSnap Organizerから起動するScanSnap Organizer ビューアで済んでしまうことが多い」
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裁断は手動裁断機がないと苦しいよね

「ということで、今回の小道具No.2は、手動裁断機じゃ」

「うわぁ、デカ。
小道具と言うより、大道具じゃない!」


「プラス製のPK-513L。
ヨドバシカメラ価格で、サンキュッパー、39800円じゃった。
こちらも、インターネット上の情報を参考にしたんじゃが、切れ味が鋭くて、裁断用紙をしっかりと固定できるので、能率が良い。
ただ、ともちゃんが言うように、大きいことと、重いことは、確かじゃ。
重さは、12.3kgじゃよって、梱包された状態のものを、一人で2階に持ち上げるのは、大変じゃったな。
大きさは、幅:約40cm、奥行き:約40cm、高さは、ハンドルを上げた状態では、約44cm弱じゃ」

「どの程度の用紙をいっぺんに切断できるのかしら?」

「いわゆるカタログの仕様では、約15mm厚さまでということで、普通のコピー用紙で、約160枚程度ということじゃ。
具体的には、雑誌の「日経NETWORK」は、表紙と裏表紙を入れても5mm、総ページ数が100ページ程度じゃから、本文の切断は、1回で楽勝じゃな」

「ただ、表紙と中身と別々にスキャンしたんだ」

「そうだな。
これは、やはり、Webページを参考にしたんじゃが、No.1で紹介したScanSnapでは、スキャンしたい用紙が重なって読み込まれないように監視する機能が付いている。これは、音波で紙の厚みを計測しているそうな。
そこで、あまり、厚さの異なる用紙を混在させない方が良いとのことじゃ。
ただ、音波の他に重なりの検知は、別の方法でも行っているようで、用紙の厚さの混在には、あまり神経質には、ならんでも良いようだ。
むしろ、スキャンする前に、紙をさばいて、一枚一枚をめくって静電気の影響でくっついていないようにすることとホチキスなどで止めていないかを確認する方が重要じゃ」

「裏表紙は、スキャンしてないのね」

「まあ、保存用としては、それでも良いと思ってな。
単行本では、表と裏と本文部分を3つに分けて、スキャンするのが良いとのこと。
あと、あまり厚い表紙は、スキャナーを通らないので、面倒でも、厚い紙は、フラットベッドスキャナーかデジカメなどで撮影してPDFに統合する必要がある。
それと、なんといっても、大きさをそろえておくことが大切じゃ。そのための裁断機じゃからな」

「でも、説明が少ないね」

「うん。それは言えるかな。
最近でこそ、個人の方も利用するようになっているが、こんな大きな裁断機は、これまでは、会社等でしか利用しなかったじゃろう。
会社等では、出入りの文具屋さんが説明すれば、良かったためではないかな」

「でも、一人で作業して下さい、という注意書きがあるね」

「そう、これには、少し、驚いたが、切断部は、ある程度、ガードされているものの、当然、用紙を入れる隙間がある。そこに手などを入れれば、傷を負ってしまうし、万一、レバーを押せば、指など簡単に切断されてしまうじゃろう」





「ぞー。
だから、二人以上で作業すると、危ないという訳ね。
確かに納得、ガッテンです。
レバーには、安全装置が付いていて、解除しないとレバーが下ろせないのね」

「うん。
ただ、安全装置に頼らずに、安全の上にも安全を確認してから作業して欲しいのう。
多少用紙を曲がって切断されるのはやむを得ないとして、くれぐれも指などを切断せんようにな!
あと、片付ける際に、レバーが出っ張ったままじゃ。
梱包箱に元のように収納すれば、よいが、さすがにいちいち面倒じゃ。
そこで、梱包箱などを上からかぶせておくだけでも、目立つから、つまづいたりしないじゃろう。
重いし頑丈なので、うっかり、足などをぶつけると痛いぞ」

「確かに。それと、子供がいたずらしないようにしておかないとね」

「子供さんの手が届く場所に置かないことじゃな。
といっても、重いので、棚の上などに置くのは危険きわまりない。
カギのかかるキャビネットなどにしまえば、安全じゃがな。
置き場所は、各人が工夫するしかないじゃろう」

「裁断機を購入する前に、置き場所を確認してからということかしら」

「うん。
それはそうと、ごく最近、ドキュメントスキャナーなんじゃが、スキャンしたい用紙を上から撮影するようにスキャンできる製品が現れた。
非接触型と言って、カメラのように(斜め)上方からスキャンしていくものじゃ。
本などを裁断せずにスキャンできる」

「ScanSnap SV600ね。
やはり、PFUの製品。2013年7月か。しかも、A3対応なんだ。
インターネットの記事は、http://japanese.engadget.com/2013/07/22/scansnap-sv600/
でも、ゆがんで写らないのかしらねえ」

「ゆがみは、装置側で補正するそうだ。
その部分には、ずいぶんハードとソフト面の双方でかなりの苦労があったそうじゃ。
しかも、今回、販売価格(ヨドバシカメラ価格:54800円)も、そんなに高くない。
ページを指でめくる必要はあるものの、本や雑誌などを裁断する必要は無い。
愛書家の方や、裁断の手間を考えると、選択肢が広がった感があるな。
前述のように、iX500の購入は、5月じゃったんだが、8月以降であれば、迷ったかもしれんなあ」

「でも、購入者のレビューを読むと、完全にゆがみが無くならないことと指の跡を消すのが、一苦労という記事があったわ」

「これは、意外な盲点じゃな。
ページをめくるとそれが検知されて自動的にスキャンされてしまうから、指が写ってしまうのかな。
なるほど、だから、上述のインタビューで指の跡を消すソフトの工夫を書いてあるのかのう」

「あとは、裁断屋さんに依頼する方法があるわ」

「たくさんスキャンしたい物がある場合は、その方法もあるのう」
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終わりにあたって

 今回もご覧いただき、ありがとうございました。
  今年も早いもので、既に10月となり、余すところ、3ヶ月となりました。
 来年、2014年4月9日に、いよいよ、Windows XPとOffice 2003 に対するマイクロソフト社のサポートが終了を迎えます。
 それまでに6ヶ月となったわけです。
 サポート終了後、インターネットに接続して利用するパソコンでは、セキュリティが厳しい状態になります。
 Windows 7、または、Windows 8に買い換えましょう。もはや、それほど、考えている時間は、ありません。
 特に、Windows 7のプリインストールパソコンは、量販店では、既に販売されておりませんので、通販サイト等を利用する必要があります。年度末が近づくとこれらは、品薄となり得ますので、早めに対処する必要があるでしょう。(参考URL:http://www.nikkeibp.co.jp/xp2014/)
  では、次回も、また、本欄で元気にお会いできますことを願っています。

 ※過去の『私の小道具』は、次のとおりです。(名称、商品名等は、いずれも公開当時のものです。)
 私の小道具3(2010/9)
 『Snipping Tool』、デュアルディスプレイ、『A Hot Document』、『ホームページビルダー』、『JUST PDF』
 私の小道具2(2002/9)
 『インターネットリンクエージェント』、『Irvine』
 私の小道具(2002/8)
 『メモ帳』、『知子の情報』、『インターネット・ブーメラン』
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